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Facebookページのインプレッションが急激に落ちたので調べたよ、って話

2012/10/04 14:00 投稿

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お世話になっております。

ループス直人です。

 

今日は珍しくFacebook広告の話です。やってみると、デバッグみたいでおもしろいですよ。クレジットカードがあればどんな方でもチャレンジできますので、好奇心旺盛な方は、是非。

 

あ、あと公開が変な時間になっちゃったので、頑張った割りには誰にも読まれないかもしれません。心優しい方、記事の内容が何かお役に立てましたらシェアしていただけますと私が非常に喜びます。どこかで「シェアしたよ!」と言って頂ければ何かお礼をいたします(スマイルとか)。

 

 

9月下旬からオーガニックリーチが落ち始めた

In the looop は、Facebookページを運用しています。個々の投稿自体は伊藤友里という美人が行なっているのですが、全体的な方向性とかは私が適当に考えています。9月下旬からちょっとリーチが落ちてまして、それを調べた時のログです。

 

リーチの落ち方は、以下のような感じです。

 

Facebook Insightで見たリーチ(20120715-20120930)

 

グラフの線は、それぞれ以下のリーチを表しています。

 

  • オーガニックリーチ(青)
    ニュースフィードやTicker、もしくはページのウォールでページ投稿を見た人の数。
      
  • クチコミリーチ(紫)
    友人のいいねや投稿経由で投稿を見た人の数。
      
  • 有料リーチ(緑)
    広告経由で投稿を見た人の数。

 

気になったきっかけは、9月24日ごろから ITL FBページのオーガニックリーチが緩やかに落ちてきたことでした。

 

9月18日くらいからクチコミリーチも落ちていたのですが、広告のアクション数は代わっていませんでしたので、投稿内容に依存しているのだろうと考えていました。過去には、Facebookのエッジランクアルゴリズムが変わったんじゃないかとしか思えない変化があったこともあり、その可能性も視野には入れていました。

 

広告のインプレッションはコンテンツや投稿頻度によってブレがあるのですが、上昇傾向にあったためこの時点では問題と捉えていませんでした。ただ、9月28日以降は若干落ちています。グラフが1週間の移動平均であることを考えると何か起こっている可能性も否定できません。とりあえず有料リーチの解析は一旦優先順位を下げ、クチコミ・オーガニックリーチの減少理由を調べることにします。

 

 

前提条件 : 広告出稿の方向性

【お断り】
これは私が管理しているIn the looop Facebookページでのお話です。クライアントのお金をお預かりして、それなりの規模の広告キャンペーンを回す際はきちんと広告運用のノウハウを持った担当者が設計・運用・最適化を行なっています。 ITLは扱う金額も非常に小さく、それほど手間をかけられないので私がまったり運用しています。

 

In the looopはごく少額、1日1,000円くらいの広告を出しています。ファンを増やすというよりも、In the looop に投稿してくださっているブロガーさんの記事をより多く知ってもらいたい、という意図からです。本当はもうちょっと増やしたいのですが、まあ収入のあるサイトでもないので使わせてもらえるだけでもありがたいと思ってます。

 

なので、ファン獲得重視ではなくインプレッション重視で出稿しているのですが、コンテンツによってインプレッションはだいぶむらがあります。その他の条件が同じであれば、ソーシャルの割合が高い (ざっくり言うと友達の紹介などが多い、ということ) 方がインプレッションは上がります。

 

ファン獲得はあまり重視していないのですが、広告経由でのコスト感(CPF、Cost per fan)は50円台〜60円台です。

 

セグメントは少し切ってますが、同じキャンペーンに入れて効果を見ている程度です。これも、どういう人が In the looop の投稿内容に反応するかを見たいだけなので、クライアントの広告キャンペーンを回す時のような何百通りもの細かいセグメントを作っているわけではありません。

 

 

9月中旬からリーチが落ち始めた

参考 : Post LevelデータのダウンロードはFacebook Insightの「エクスポート」から
https://www.facebook.com/[fbpage username]/page_insights

 

最初は投稿内容依存だと思っていたものの、しばらく見ているとやはり投稿毎のリーチが平均的に下がってきているように感じる。

 

もう少し詳しく見てみようと、Facebook Insight から Post Level Data をエクスポートします。で、投稿ごとのインプレッションの内訳を見てみると、インプレッションの中でも「有料インプレッション」が大きく減っていることがわかりました

 

 

Facebook Insight Post Level Data 投稿ごとの種類別インプレッション(20120801-20120930)

 

最初に見ていた Facebook Insight のグラフや投稿データだけですと、「広告ちょっと伸びないけどコンテンツのせいかねぇ。」くらいな印象ですが、ポストレベルのInsightデータで分解してここまで劇的な変化を見ると、「ああ、なんか良くないことが起こっているのね・・・。」という気持ちになってきます。

 

 

広告レポートをエクスポートする。

参考 : 広告レポートのダウンロードは広告マネージャから
https://www.facebook.com/ads/manage/campaigns/ 

 

まあ、原因が有料リーチだと特定できればなんとかなるだろうと、今度はFacebookの広告マネージャに行き、キャンペーン毎の日時データをエクスポートします。

 

中を覗いてみると、「ソーシャルのインプレッション」の値、つまりユーザーに対するインプレッション(表示)のうち、ソーシャルのインプレッション (友達のいいねやファンになったなどのアクションを経由したもの) の割合が、9月18日を境に増えていることがわかりました。

 

グラフにすると以下のような感じです。

 

Facebook Ad manager 広告インプレッションの内訳 (20120801-20120930)

 

 で、ここまでくると、「ああ、スポンサー記事がでしゃばってきているわけね」という予測が立つんですが、実際そうでありました。

 

※スポンサー記事=「あなたの友達が○○についていいねと言っています」という広告。
 友人の推奨が必ず付くためCTRが高くなる傾向があるがインプレッションは伸び辛い。

 

 

分析結果

あまりうまく説明できないのですが、一応書いておきます。

 

私は広告の運用を、ひとつのキャンペーンの中に以下複数を混ぜ込む形で行なっていました。

 

※キャンペーン=複数の広告をまとめる単位

 

大きく分けると以下の様な感じです。

 

  1. スポンサー記事(CPC)
  2. ある程度細かくセグメントされた最新の投稿に対するインプレッション重視広告(最適化CPM)
  3. スポンサー投稿(CPC)

 

※CPC=Cost per Click、1クリック単位の単価を指定する入札制の広告。

※CPM=Cost per mille、1,000クリック毎に課金される方式の広告。

※最適化CPM=Facebook側で出稿対象を適当に最適化しているらしいCPM。

 最低出稿金額数百万円以上のプレミアムアドでしか使えなかった、フリークエンシーキャップが効いているように見える。

 

2で、最適化CPMを選択しながらセグメントを切っているのは、どういった層に反応がよいかをざっくり把握するためです。最適化一つのキャンペーンに最適化CPMの広告を複数入れ、運用期間を長くすると効率のよい広告の割合を自動で増やしてくれるようだったため、これを使って反応のよい読者層が把握できるかな、と考えたのです (まあ、実際は Insight で結果だけ見れば十分なんですけど)。

 

で、9月18日に何があったかというと、1日に4投稿という ITL FBページにしては珍しく連投が続いた日でした。

 

その日は恐らく、投稿に対する新しいCPM広告の承認に時間がかかったため (だいたい、1つの広告で2〜3時間くらい審査がかかる)、その間投稿に対するCPM広告は出稿されていなかったのだと思います。で、代わりにCPCのスポンサー記事が多くはけていた、と。

 

そして9月18日以降、In the looop の投稿が22日までなかったのですが、なぜかCPM広告が出稿されずそのままスポンサー記事が表示され続けた。スポンサー記事はページに「いいね!」してくれているファンの友達にしか表示されないため、インプレッションが落ち、話題にする人が減り、やや間をおいてオーガニックリーチにも影響が出た。ということなのかな、と。

 

ちなみに、ページへの「いいね!」数自体はそれほど変わりませんでした。以下のグラフに示します。

 

 

インプレッションが落ちたことでリンクを目にする人が減り、アクション数は落ちました。露出を増やすという意味でのスポンサー記事が予想通りいまいちだっただけでなく、「友人の推奨がクリック率を高める」というスポンサー記事の強みの面でもよい結果がでなかったのは新しい発見でした。確実にファンの友達に知っていただける方が、関係性という面では濃いのかもしれませんが、まあ数万人程度のページですしまだそういう段階にはないのだと割り切っています。

 

また、今回の反省から、今まで投稿がない日にも運用を楽にする目的もあって、スポンサー記事と最新の投稿に対するCPM広告と同じキャンペーン (複数の広告を束ねる単位) に入れてきましたが、それを分けることにしました。

 

 

おまけ 

優秀なプログラマはデバッグがものすごく早いです。優秀なインフラエンジニアは、障害対応でもクライアントに電話しながらもどんどん原因を分析していって、電話が終わる前に原因を特定し、復旧予測を報告しちゃう。

 

なんでこんな話をしたかというと、広告運用でも「あたりをつける」スピードが重要なのはシステム屋と似てるなあ、と感じたからです。代理店さんからいただくレポートやFacebookからエクスポートできるデータには、それこそありとあらゆる情報が含まれています。ただ、いかんせんデータが多すぎて何をどう使えばいいかがわからない。

 

でも、結果から逆算して調査を進める場合は仮説の潰し込みをしていくことでかなり早く問題に辿り着くことができるんですね。日々の運用レポートは、データの羅列とその要約が書き出されているだけではなくて、そこから何かが見て取れるものでなければならない。そういう意味で、FacebookのInsightは必要最低限の情報がうまく集約されているなー、と感じます。

 

現場で作る手作りレポートは、「そこのデータ日次じゃ意味ないだろー」とか「その数字投稿1本あたりに分解しないと実態が見えないだろー」とか、まあ色々改善点があるものですが、WEB UIのFacebook Insight、もっと使い倒されてもいいのかな、と思いました。

 

それでは、よろしくお願い致します。 

 


by 許 直人

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