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企業のウェブマーケティングはなぜ成功しないのか?5つの理由と改善ポイント

2012/10/03 10:00 投稿

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これまで様々な企業のウェブマーケティングのコンサルティングや改善の実務に関わってきたが、どの企業もそれぞれに独自の商品・サービスがあり、それにともなって複雑に絡み合った様々な問題を抱えている。しかしその中にも共通しているものがあり、それはいわばウェブマーケティングを成功させるために不可欠なエッセンスだ。

 

今日は、そのエッセンスを「企業のウェブマーケティングはなぜ成功しないのか?5つの理由と改善ポイント」としてまとめて紹介しよう。

 

 

企業のウェブマーケティングはなぜ成功しないのか? 

 

【理由1】ウェブマーケティングの運営チームが不完全

すべてを支えるのは人であり、ウェブマーケティングの運営体制だ。このチームづくりがうまくいっていない場合、時間をどれだけかけてもなかなかうまくいかない。

 

【改善ポイント】

まずは配置する人材をよく検討する必要がある。運営チームのメンバーは主に以下の3者から構成される。

 

  1. 社内のウェブマーケティング責任者・リーダー
  2. 社内のチームメンバー
  3. 外部のチームメンバー

 

社内のチームメンバーに配置したいのは、主にブログなどを書けるコンテンツクリエイターやソーシャルメディアやオフラインで顧客や見込み客と対話ができるコミュニティマネジャーだ。また、問題点を素早く見つけ出すために、アクセスログを分析できる人も社内にいるといいだろう。より詳しくは「企業のWebマーケティングを成功に導くウェブ担当者に不可欠な6つの資質」に書いているので、こちらも参考にしてほしい。

 

外部の人材は主に以下の3種に大別される。

 

  1. ウェブデザイナー
  2. システムエンジニア・プログラマー
  3. ウェブマーケター・コンサルタント

 

それぞれに得意分野や力量があり、しっかりと見極めて登用するようにしたい。社内外の3者がしっかりかみあって、はじめて成功への扉が開かれるということを忘れないようにしよう。

 

 

【理由2】数値目標の設定と管理が不十分でKPIを追っていない

まずはKPIを設定しよう。KPIとは重要業績評価指標のことだ。例えば先月まで毎日500人の訪問者があったサイトが、今月は毎日250人に減ったとしよう。この場合、売上も半分に落ち込む可能性があるということは理解できるだろう。この「訪問者数」のように業績に連動する数値であるKPIを明確にして追っていけばいいのだ。KPIを明確にし追っていないと継続的で発展的な改善ができないで注意しよう。

 

【改善ポイント】

KPIについては様々な指標があるが、特に以下の2点に注目したい。

 

  1. トラフィック(訪問数、ユーザー数、ページビュー数)
  2. コンバージョン(コンバージョン数、コンバージョン率)

 

トラフィックには主にソーシャルメディア経由のものや、検索経由のものがある。それぞれを増やしていくようにKPIを追っていこう。トラフィックを増やすための大きな要因を探し出し、計画・実行し、改善するのだ。

 

例えばソーシャルメディア経由であればFacebookやTwitterが主となるだろうが、その際にどのようなコンテンツが、そして誰がトラフィックを運んできてくれるかに注目したい。検索経由のトラフィックであれば、トラフィックを集めている検索キーワード、コンバージョンを高めているキーワードが何であるのかも重要になる。これらのキーワードの表示回数に注目しKPIを設定して改善やコンテンツの更新を行なうといいだろう。

 

 

【理由3】やるべき業務が明確になっておらず、何をやればいいのかわかっていない

やるべきことが明確になっていなければ、ただ時間が過ぎ去るだけである。その結果、ウェブマーケティングがただのブログやソーシャルメディアの更新作業になってしまうことは多くの組織でよく起こることだ。

 

【改善ポイント】

本来はKPIからやるべきことを導くべきだが、何れにしても以下の5つについては必ず不可欠なのですぐに実行にしてほしい。

 

  1. ブログやソーシャルメディアなどのコンテンツ更新
  2. コンバージョンに基づくウェブサイトの改善
  3. キャンペーンの実施
  4. メールやソーシャルメディアによるコミュニケーションと顧客育成
  5. 商品・サービス開発・改善へのフィードバック

 

例えば、「3.キャンペーンの実施」については特にECサイトを運営している場合に重要だ。年間を通して、初売、バレンタイン、卒業・入学、お中元…と季節ごとのキャンペーンを企画・実行するチャンスがたくさんある。一つひとつのキャンペーンを大切にし、キャンペーン期間中にも常に改善するように心がけよう。

 

それから「5.商品・サービス開発・改善へのフィードバック」についてだが、ニーズがない商品やサービスをサイトで扱っていれば、どんなにトラフィックが増えても、サイトを改善しても売上は上がらない。しっかりとユーザーの声を汲み取りながら、ターゲット・消費者が欲するような商品・サービスの開発や改善を行うために情報をしっかりと商品・サービス開発・改善のチームにフィードバックしたい。

 

 

【理由4】ウェブマーケティング戦略に一貫性がない

SEO、SEM、メルマガ、Twitter、Facebook…とウェブマーケティングに新しいトレンドが出てくるたびにそれだけを追う人が後を絶たない。しかしそれだけでは、結果を得ることは難しい。最終的に購入してほしい商品・サービスのページへ誘導し、コンバージョンまで導くための一貫した流れが不可欠だ。

 

【改善ポイント】

まず、どういう商品・サービスを誰にいくらでどのようなメッセージを用いてどのような仕組みで届けるのかを考えることが重要だ。その上でそれにあったウェブサイトを企画・設計しよう。ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアが連携し機能するようにしっかり考えておきたい。有料でも無料でも構わないが、見込客が入手しやすいフロントエンドの商品・サービスを用意し、メールアドレス等の情報を提供してもらい、継続的な情報提供と対話ができる仕組みも構築したい。SEOもFacebookも部分であって全体ではないということを忘れないようにしよう。

 

お勧めしたいのはインバウンドマーケティングを理解しておくことだ。あなたのビジネスにインバウンドマーケティングを導入できれば、見込客にあなたの商品・サービスを見つけてもらい、コンバージョンに導くための一貫した仕組みを構築できる。

 

インバウンドマーケティングの概念については株式会社マーケティングエンジンのインバウンドマーケティングとは?を参考にするといいだろう。実践的に学びたい方は熊坂仁美さんの株式会社ソーシャルメディア研究所で開催されるインバウンドマーケティング実践講座が高広伯彦さんと尾花淳さんという2名の講師陣やプログラムから見て最良だろう。

 

私のブログ記事「楽器店Chicago Music Exchangeに学ぶ『インバウンドマーケティング×Eコマース』の手法」も参考にしてほしい。インバウンドマーケティングを実現する具体的なサイト設計のポイントがわかるはずだ。

 

 

【理由5】情報配信はしているがコミュニケーションが不足している

情報配信をしていても、コミュニケーションが不足しているがために、情報の内容もずっとひとりよがりで誰も振り向いてくれないというのはよくあることだ。これでは成長への軌道に乗ることが出来ない。

 

【改善ポイント】

コミュニケーションを行うことで、顧客が求めるものが理解でき、また顧客からの信頼も高まるということを覚えておこう。

 

あなたの商品・サービス・ブランドと顧客や見込み客との接点となる場所において、何らかのアクションを引き出し、コミュニケーションが発生するような仕掛けを考えよう。例えばそこで個人情報を提供してもらえる設計にすればパーソナライズ化を促進するし、そこを基点に横に広がるように設計すればソーシャル化が促進される。これらにより深いインサイトが得られ、顧客が求めていることがよりわかるようになり、同時に多くの人へソーシャルメディアを通して広がるようになる。

 

コミュニケーションは何もオンラインだけで完結する必要はない。オフラインのイベントやセミナー、カンファレンスを開催するなどして、直接的な交流を深めたり、商品・サービス・ブランドを体感してもらうことも非常に効果が高い。

 

 

まとめ

初めにも述べた通り、ウェブマーケティングにおいて、組織や商品・サービスの数だけ複雑に絡み合った問題がある。しかし常に基本に立ち返りシンプルに考えてみることが重要だ。たった5つのポイントだが、この5つをしっかりと改善するだけで、今まで以上の結果が得られると確信している。ぜひ参考にして実際にウェブマーケティングの改善に取り組んでほしい。

 


keiju

">by 久保 圭樹

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