同記事によると、この資金調達はブラックロック傘下の投資ファンドが従来の支援者を巻き込むカタチで行われ、同社の評価額を1兆円と推定したものだという。今回の資金調達により、同社はライバルであるBOX社を見据え、法人ユーザー向けの高付加価値サービスを強化することになるだろう。関係者によると同社はすでに全世界に法人ユーザー400万社をかかえており、2012年の売上高は1億1600万ドル、対前年比252%と大きく成長しているようだ。
昨年11月のTwitter株式上場に象徴されるが、現在のシリコンバレーはドットコムバブルの再来を感じさせるほど過熱している。Cowboy Venturesの創業者、Aileen Lee氏はTechCrunchに記事を寄稿し、時価総額で1000億円を超えると推定されるネット系ベンチャー企業を「ユニコーンクラブ」と称して話題を呼んだ。
・Welcome To The Unicorn Club: Learning From Billion-Dollar Startups (2013/11)
同氏の推定によると、ユニコーン・ベンチャーは３９社であり、1年に4社が生まれているという。しかし、ベンチャー・キャピタル投資先企業から見ると、これらはわずかに0.07%、つまり14000社から1社のユニコーンが生まれる計算となる。同氏の推定時価総額に基づいたユニコーン・ベンチャーは次グラフで一望できる。
( 出所: TechCrunch ”Unicorn Club Recent Valuations” )
このグラフではDropboxの時価総額は4000億円となっており、WSJ記事によると、わずか半年で2.5倍に急騰したことになる。また、先日は2011年に創業したばかりの写真メッセージングサービス SnapChatに対して、Facebookやgoogleが3000-4000億円の買収を持ちかけたが拒否されたとの報道もあり、このチャート内には登場していないスタートアップの相場もヒートアップしていることがわかる。
ここで、注目されるスタートアップの資金調達状況を俯瞰してみよう。Dropboxなどの「クラウド・ストレージ」、Pinterestなどの「写真動画共有」、WhatsAppなどの「メッセージング」の三分類とし、シードからの資金調達状況、調達総額、推定の時価総額をまとめたのが次表になる。情報元は主として CrunchBaseおよびTechCrunch記事だ。
by 斉藤 徹
