用語説明:【純粋想起(Non-aided Recall,Pure Recollection)、非助成想起、再生知名度】
「純粋想起(ブランド再生)」とは、広告やブランドの浸透度などを調査する際の想起(思い出すこと)の定義の一つで、調査対象者にヒントを提示しないで知っている広告やブランドを思い出して回答してもらう方法。これに対して、選択肢や写真などを提示して、回答してもらう回答方法を「助成想起(ブランド再認)」という。また、純粋想起の中でも、一番目に想起された広告やブランドを第一想起(トップ・オブ・マインド)として区別する場合もある。
助成想起よりも純粋想起の方が調査対象者にとって困難であり、記憶、マインドの中に強く残っている、印象付けられているといえる。そのため、「純粋想起」の方が、購買の際により選択されやすいと言われているが、どちらを重視するかは製品によって異なる。 自動車や高級腕時計などブランドの指名買いが多い高額商材は、純粋想起されるレベルにないと購入の選択肢に含まれないため、純粋想起率向上をKGIに据えることが多いが、清涼飲料水やスナック菓子のように、消費者が店頭で気軽に選ぶ製品は、「助成想起(ブランド再認)」のほうが比較的購買に結びつく確率が高い。
解説
ソーシャルメディア活用で想起率向上
一般的に消費者への「接触頻度」と「関与」を増やせば、ブランドに対しての心理的な距離が近くなり、ポジティブな印象が作られていくと考えられるため、「純粋想起」や「助成想起」は広告出稿における効果指標としても重視されてきました。
しかし、流通する情報量が増大化する中で、もはや広告の力だけでは消費者の頭に残り続けるブランド、忘れられないブランドとして生き残っていくことが難しい時代になってきています。
例えば、食品や飲料のように店頭に並ぶ複数の競合商品の中から、自社商品を手にとってもらうには、消費者との接点を増やし頻度を高めることで、商品イメージを刷り込まなければなりません。一方、自動車や高級腕時計といった高価格帯商材の場合は、コンテンツ体験の中でブランドストーリーに対する理解を深めたり、細やかなサービスを通じて顧客のロイヤルティを高めていくような施策が重要です。
また、消費者が購買を判断する際、「記憶の中の取り出しやすい情報に注目し、重視することが多い」、「感覚を刺激したり感情に訴えるものを、単なる事実やデータよりも強く記憶される」といった、経験則(ヒューリスティック)が心理的に作用することから、ソーシャルメディアによる日常的な接触が、ブランドイメージの醸成と想起率向上に繋がるのではないかと考えられるようになりました。
「純粋想起」でも「助成想起」でもない「ソーシャル想起」?!
特にFacebookは、消費者をファンとして蓄積し継続的な接点を持つことで、認知、興味喚起の機会を増やし、想起率を向上・維持する効果が期待出来ます。ただ、友人・知人の推奨が購買行動に大きな影響を与えるソーシャルメディアでは、「○○さんが薦めてた商品」という曖昧な「ソーシャル想起」を、自社製品のイメージに紐付けていく新たな取り組みも必要です。
現在、ソーシャルメディアと広告(ペイドメディア)、自社メディア(オウンドメディア)を統合していく流れが加速していますが、これからは販売の現場も含めたすべての消費者接点で、統一感のあるブランドイメージを訴求するだけでなく、より想起しやすくするための工夫が求められていくことでしょう。
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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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■元記事
・http://smmlab.aainc.co.jp/?p=16725
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