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2013/05/06 23:02 投稿

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お久しぶりですこんにちは。最近忙しくて、久しぶりの投稿なのに妙にテンション高めのWebディレクターズマニュアル中の人 ナカムラです。

 

タイトルからいきなり叫んでますが、今回は先日参加した「ゼロからのディレクション講座:設計編」の内容で特に気になったポイントのピックアップ記事になります。

 

(主にクライアントワークにおける)要件定義⇒情報設計⇒仕様定義のフローに関するかなり詳細な講義で、なかなか見る機会の無いガチ見積りの作り方あり、実践的なワークショップありと、かなり勉強になりました。

 

が、さすがにここに全部載せるわけにもいかないので、本記事ではナカムラ自身にとって最も印象的だった「情報設計」部分の考え方と、その具体的手法について思い出しながらまとめてみようと思います。

※恐らく高い確率で抜け漏れが発生します。ちゃんと知りたい人は次回講演へ!

 

情報がキチンと設計されてないと何も作れない。

当たり前の事を言うようですが、「誰が」「誰に対して」「何を感じて欲しくて(またはして欲しくて)」リリースされるコンテンツであり、そのためにどこを強調してどこを省略するのか?

このへんがしっかりと固まっていないと結局「誰にとっても中途半端で使えないコンテンツ」になる。とまぁそんな話でした。

 

今回登壇していただいたDCHSの高瀬さんは、この辺りの定義を制作フロー上最重要視しているそうで、お恥ずかしい話ですが僕よりもずっと細かく細かく【ある特定の誰かに向けたもの】のようにコンテンツを組み上げている印象でした。

 

僕自身もかなりの数のサイト&サービスの構築と運用経験から「ターゲットは絞り込んだ方が上手くいく」とわかってはいたものの、正直「そこまでやるか!?」と衝撃を受けた事を正直に告白しときます。

 

プロモーションポイントを決める5つの要素

こっから高瀬さんの資料からのパクりになりますが、まず第一に「〇〇をWebでやろう!」という発案に対して「〇〇」のポロモーションポイント(売りになる部分)を探っていきます。

 

僕の場合クライアント担当の自慢話を引き出してメモって提案して。。。という非常にアナログチックなやり方をこれまでやっていたのですが、もっとロジカルに対象の「売り」を探し出すナイスな思考方法だと思いましたので、勝手に公開させていただきます。具体的には以下のような感じ。

 

対象の周辺情報を洗う

例えば「花屋のプロモーションをWebでやろう!」となった場合、その花屋を取り巻く周辺環境に関するGoodな点を探し出します。「駅に近い」だとか、「お店までの道がキレイ」だとか、あるいは「美人が多い街にある」などなど。

対象そのものの魅力を、世論だったり周辺環境だったりといった”周囲の情報”から洗い出していきます。

 

次に、対象そのものと設備の情報を見直す

これはそのまんまの意味になりますが、要は「どんなインテリアの花屋か?」とか「イチオシの商品は何か?」「看板や包装のこだわり」みたいな情報ですね。

 

正直、現状ほとんどのWebサイトがこの部分”だけ”をコンテンツにしてしまっているように思います。

それだけじゃダメだよ!もっと色々な角度からプロモーションを考えれば色々捗るよ!と教えていただけただけでも、今回の講座はホント聞く価値ありだと思いましたね。

 

バックグラウンドの情報を見る

で次に、その花屋のなりたちや店長が持っている出店への経緯と歴史。それからなぜWebで何かをやろうとしたのか?といった「現在に至るまでのバックグラウンド」を確認してまとめていきます。

いわゆるアレです。あのスポーツの試合前のTV番組の煽りの部分。

 

どんなサービスにも「裏側のドラマ」が存在していて、そこに多くの情報と魅力がある。そこに着目することも、しっかりとリストとして抑えておきましょう。というわけです。

 

ユーザーの評価という情報を集める

ザックリ言うと「ユーザーズボイス」ってやつです。

どんなに新しいサービスでも、新しいお店でも、その気になればユーザーの声は集まるはず。

花屋なら、実際店頭に赴いてお客さんに軽くインタビューを行ったり、その店舗がオープン前なら店長の友人・知人に商品を買ってもらって声を集めたりして情報を収集していきます。

 

制作サイドっていうのは、ともすれば”中の人”になってしまいがち。完全に客観からの意見はやっぱり重要なので、多少ムリヤリにでも手に入れておきましょう。という事らしいです。

 

利用方法や場面に関する情報を細分化する

そのサービスを「どうやって使うのか」、そして「どんな時に使えるのか」、それから「どんな風に使ってほしいのか」このへんの情報を探し出します。

で、これを出来るだけ細分化していきます。

 

「花を買う」ではそれだけで終わってしまう利用方法も、「奥さんの誕生日に男性がプレゼントとして花を買う」だったり、「休日の癒しとして自宅用に女性が花を買う」だったり。

 

どうやって?とどんな時に?を細かく考えていくことで、より詳細な「そのサービス自体の魅力」が浮き彫りになっていきます。

 

誰に何を伝えるためのコンテンツか?を決めてしまう

簡単に言ってしまえば「ターゲティング」というやつなんですが、以前に僕が「プロジェクトの開始までにWebディレクターが用意するものとこと13個まとめ」という記事の中で触れたザックリ定義方法よりずっと明確な設定方法でこれまた大変勉強になりました。

 

個人を特定できるほどのペルソナ定義

対象となるターゲットユーザーの年齢、性別はもとより、趣味、嗜好、生活リズムや住環境、金銭に関する考え方や家族構成、名前や経歴までを仮決めするペルソナ設定。やりかたは知っていたんですが、従来型の「ペルソナシート複数作成型」のやり方はイマイチ手間がかかりすぎる上にどこか納得がいかず、僕自身は採用していませんでした。

 

が、今回高瀬さんから教えていただいた以下の「項目型ペルソナ設定シート」は、意外なほどシンプルで使いやすそうだったので、早速実務に取り入れてみようかなーとか思っています。

ペルソナモデル

※図のように案件に合わせた設定項目を先に決めておき、それに関する定義をメモっとくというスタイル。
※案件規模が小さい時は項目を少なく、大きくなればなるほどでっかくなっていくらしいです。(図は一例)

 

情報を徹底的に”研ぎ澄ます”というスタンス

さて、話を戻して、最初に出てきたような手法で「対象のGoodな点」を書き出しまくると、とにかく膨大な情報量になります。

 

今回も講義の中でワークショップを開催していただいたんですが、実際に複数の人間がチームを組んでお題となる対象物のウリを探しまくるとやっぱり「情報多すぎ!」な、カオスな感じになりました。

んじゃ、これをそのまんまサイトのコンテンツにしてしまうとどうなるか?

ぐっちゃぐちゃです。

カオスです。

情報多すぎて逆にイミフです。

 

たまーに見かけますよね?めっちゃ情報量多いのに、どこに何の情報があるんだか分からなくて、使ってるウチに迷子になって、結果として全然興味をそそられない「もったいないサイト」。アレができあがります。

なので、情報は上記のターゲットユーザーに向けてどこまでも研ぎ澄ますのが得策だそうです。僕もそう思います。

 

具体的な”研ぎ澄まし”方

・いらないコンテンツは思い切って捨てる
・勇気を持って言い回しを省く
・可能な限りページをまとめ、情報を鋭くする
・サービスを売るなら売る。採用は別。など目的別に考える
・新規ユーザー向けと既存ユーザー向けを別モノと捉える
・万人向けのサービスなど存在しない!ターゲットを絞る

 

うん。こんなところだったと思います。とにかく無駄な記述を可能な限り省き、内容を、狙ったターゲットに対し、一瞬で把握させ、興味を引き、引っ張り込む。そういうコンテンツを作らない限りWebによる情報の伝搬は上手く行かない。という事らしいです。(み!耳が痛い!)

 

その設計であっていたのか?見返さないと意味が無い

さて、そんなこんな色々考えて情報を設計していくわけですが、講師の高瀬さんいわく「その設計であっていたのか?」の見直しこそが非常に重要である。とのことでした。

 

それもそのはず、情報を設計したのはあくまで制作サイドの「仮定」の話。もちろん、それぞれに論拠があり、そうだろうという仮説を立てるに足る情報があってこそのものですが、やっぱりリアルなユーザーの反応を見ないことには正解かどうかは分かりませんし、「今年の正解」が「来年も正解」かどうかは全く分からないのがWebの世界でもあります。

 

常にユーザーの動向を確認し、最善と思われる情報を設計し、ムダを省き、改善を続けていった先にこそ本当の意味での「ユーザビリティ(使いやすさ)」や素敵なユーザー体験があるはず。

 

まぁ要するによく言うPDCAサイクルを回す際の「数字を見る基準」として、「今のところどうか?」という事ばかりでなく、「上流工程で固めた情報設計そのものの正しさ」まで、さかのぼって疑ってみるのも大事だよ。という事だそうです。

 

まとめと感想(と広告)

さて、なんだか最後に強引にPDCAの話をねじ込んだ感満載ですが、これはもうしょうがないことだろうと思っています。

 

やっぱりWebサイトはどこまで行っても「完成が無い」媒体なので、仮説に基づいて詳細に設計したコンテンツも見直しと改善が大事ってのは根幹にあるみたいです。

 

後から見直した時、「なんか違ったよね」では改善のしようも無いので、「○○を■■と仮定したのが間違ってたのでは?」と改善案を出しやすくする。そのためにも詳細な仮説定義による情報設計が何より大事。ってことですね。

 

細かな点ではかなり多くの違いがあった僕のディレクションフローと高瀬さんのフローですが、このあたりはやはりほぼ同じ考えだったと思っています。

 

じゃあ具体的に「どこがどう問題なんだろう?」「その改善方法はどう決めればいい?」の探し方や答えについては、絶賛売れ残り中のナカムラの講座「ゼロからのディレクション講座:運用・解析編」にて!

以上。まとめと感想(と広告)でした。


中村 健太

">by 中村 健太

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