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【企業担当者に聞くSMM最前線】株式会社くもん出版 小山衆氏・ 宮本友紀子氏〜『心の窓』を開くブランド体験の提供を目指す(2/2)

2012/11/27 12:00 投稿

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ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)に積極的に取り組まれている企業の担当者に、現場でのSMM活動の実際についてお聞きするインタビューシリーズ【企業担当者に聞くSMM最前線】

 

こんにちは、SMMLabの藤田です。

 

今回は、ブロガーコミュニティーで生活者との新しい関係構築を実現されている、株式会社くもん出版 経営企画部 企画チームリーダーの小山衆氏と編集部 絵本・幼児教材チーム 宮本友紀子氏にお話をお聞きしています。年間約3万枚の購入者ハガキや製品体験イベントなど、リアルな取組みで顧客との対話を深めてきたくもん出版が考える、企業のソーシャルメディア活用とは?

 

前回記事:
【企業担当者に聞くSMM最前線】株式会社くもん出版 小山衆氏・ 宮本友紀子氏〜『心の窓』を開くブランド体験の提供を目指す(1/2)
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=14713

 

自社の活動にファンサイトユーザーを巻き込んだ「学びの芽」イベント


――ブロガーを中心としたファンを4,000名以上擁する「くもん出版 fansite」では、今年6月に開催された『東京おもちゃショー2012』の自社出展ブースの装飾に使用するメッセージカードを募集されたそうですね。

 

くもん出版 モニプラ fansite 「学びの芽」イベント東京おもちゃショー2012 くもん出版ブース 学びの芽

http://monipla.jp/kumonshuppan/20120524/

 

宮本:くもんの知育玩具が大切にしている、「遊びを通して、子どもたちの学びの芽を大切に育てたい」という思いを、くもん出版ファンサイトのみなさんの生の声を通して、来場者のみなさんに体感していただきたいと企画しました。応募していただいた方全員にカードを送って返送していただけるようにするなど手間はかかりましたが、どうしても手書きのものを頂きたかったのでこだわりました。

 

――手書きのカードを返送するというアクションは心理的なハードルが高く、それなりのコミットメントがないと参加してもらうことが難しく、企画側の意図を汲み取った投稿をしてもらえないと思うのですが、反響はいかがでしたか?

くもん出版 編集部 絵本・幼児教材チーム 宮本友紀子氏

くもん出版 編集部 絵本・幼児教材チーム    宮本友紀子氏

宮本:返送期間が1週間足らずだったので、3割戻ってきたらいいかなと心配していたんですが、半分以上ご返送いただきましたし、「一般公開日に会場に行きます」と言って下さる方もいて、実際のアクションを起こしていただいた方がこんなにいるなんてスゴい!と感激しました。

 

本当に予想以上の反響をいただいて、「くもんの活動、イベントを応援したい」という皆さんの気持ちが伝わってきましたし、単純に抽選で貰えるプレゼントが目的ではなくて、一緒に子どもの成長の瞬間を喜ぶ気持ちをみんなで共有したいと思って下さっているのが分かりました。手書きのものをいただくとか、実際にお会いするというのは、ファンサイトの取り組みの中でも初めてのことなので、この結果をファンの方にお返ししていくことによって、また少し関係性が深まっていくかなと楽しみにしています。

 

 

――リアルでの取り組みをウェブで再現したいと始められた活動が、今度はリアルに戻ってきているという形ですね。

 

小山:そうですね、連環させていくようなことが出来つつあると思います。今回は、ウェブでお付き合いさせていただいている方となんとかしてリアルでの関わり合いをもつということがやりたかったんです。正直のるかそるかで色々と挽回策を検討したりもしていましたが、確信はないまでも、ファンの方はきっと協力してくださるだろうという予感はありました。

 

東京おもちゃショー2012 くもん出版ブース 学びの芽モニュメント

東京おもちゃショー2012 くもん出版ブース “学びの芽”モニュメント

 

 

――それはやはり2年間というファンサイト活動の中で培われたファンとの関係があったからですか?

 

小山:ファンの方たちの生活感覚や反応などが、まだ分かったというわけではないですが、少しづつ感じ取れるようになってきていると感じていて、これは良い意味で“ソーシャル慣れ”なんじゃないかなと思ってるんです。ソーシャルメディアをどうやって会社全体の取り組みとしてやっていこうかと考えた時に、各社とも課題になっているのが“属人化”ではないでしょうか。属人化というのはスキルの問題ということもありますが、それ以上にマインドの問題が大きいと思うんですよ。ソーシャルなマインドを持っているかどうか。これは我々も例外ではなくて、やはり今はまだ、ソーシャルメディアに興味があり、意欲がある人が担当することが多くなっていますが、これを会社のカルチャーにしていくということを考えた時に、どうしたらいいんだろうということですね。特定の人だけが片手間でやるのではなく、企業全体としてソーシャルメディアを活用していくには、お客様を属性などのグループとして捉えるのでは無く、一人一人の方と向き合ってものを考えるビジネスをやっていくというカルチャーを作っていかなくてはいけないと思っています。それは必ずしもウェブに限らず、これからはお客様と接する全ての場面で必要となってくる意識なのではないでしょうか。

 

例えば、「購入者ハガキ」のフリーコメントってみなさん、ビックリする位しっかり書いてくれるんです。どうしてこんなに書いてくれるのだろうと考えたら、とにかく聞いてほしいんじゃないかと思い始めまして、自分たち企業はそれにどう答えたらいいのか、ファンサイトの人にアンケートで聞いてみたんです。そうしたら「企業がそれをどう受け止めているかわからない」、「そもそも読んでくれているのか」という疑問の声が多かった。

 

これにはかなり反省しました。我々は購入者ハガキを何気なく商品パッケージに入れて、返送されてきたものを読んで、もしクレームなら電話で連絡したりはしていますが、大多数のハガキには特別なアクションは起こしていないのですが、お客様は頑張って書いて投函してくれている。エネルギーを使ってくれているんですよね。そう考えると、頂いただけでいいんだろうか?ちゃんと読んでますよと伝えるにはどうしたらいいんだろうということになる。書いてあることを全てそうですかと言う通りにする訳ではないので、まずは「ちゃんと読んでいます」ということで良いと思うんですが、どうやって伝えたらいいかが分からない。伝える術が今は未だ無いんです。

 

もし「購入者ハガキ」を送ってくださった方全員に伝えることが出来たら、何かスゴいことが起きる気がします。ファンサイトの人達がいうように、企業は読んでくれていないというのが消費者の前提だとすると、全部読んでますということを伝えるだけでも意識が変わるでしょうし、もっと聞いて欲しいという人が集まってくるかもしれない。

リアルな生活やアナログな活動とウェブを上手く融合させられたら、それもあまりコストをかけずに実現出来たらと考えると、ソーシャルメディアはまだまだ大きな可能性を秘めていると期待しています。

 

株式会社くもん出版 経営企画部 チームリーダー小山衆氏

株式会社くもん出版 経営企画部             チームリーダー 小山衆氏

――ソーシャルメディアの担当者の話になると、興味・関心に加えてセンスが必要と言われますが、やる気と好奇心とソーシャルなマインドがあれば、センスは補えるものでしょうか?

 

小山:そう思いますよ。もちろんセンスがあるに越したことはないですが、伝わるのはやっぱりマインドですから、ファンからどんな反応が返ってくるかなど経験の積み重ねで、運用自体はある程度トレーニング出来るものだと思います。ですから弊社でも、ファンサイトの担当を一人だけではなく、何人かで当番制などに出来ないか検討しているところです。

 

ただ、顧客やファンの声を正しく「聴く」のは誰にでも出来ることではないかもしれません。弊社では先ほどから話に出ている「購入者ハガキ」を、数字的なデータよりもフリーコメントを重視して、細かく目を通しています。PDF化して社内にも共有しているのですが、開発者は自分の作った製品の反響はすごく熱心に読むんですね。でも個々のご意見に、強く影響されてしまうリスクもあるんです。

 

顧客やファンの声から何を読み取るか。キーインサイトを見つけて、自社のビジネスヒントに転換し、現場の施策に落とし込んでいくには、ある種の技術や能力、センスが必要なんですよね。これは単にトレーニングでどうにかなるものではない気がします。今注目されている「ビッグデータ」をどう活用するかといったことにも通じる話だと思いますが、人間への興味、関心、それが一番大切かもしれません。そこはスキルじゃなくて、好奇心なのかな? 仔細な観察に基づいた深い洞察がないと形だけになってしまう気がします。電車の中ではスマホじゃなく人間観察をしたほうがいい(笑)

 

 

ファンとの信頼関係を築くにはまずファンを信頼すること

 

――もっとソーシャルメディア全般を戦略的に利用するご予定はありますか?

 

小山:もちろんあると思っていますし、しなきゃいけないだろうと思っていますが、今のところはあまり優先度を高くしていません。

 

――それは時流とか周りの環境などの成熟待ちですか?それとも自社でのリソースの問題やプランの到達度でまだ手をかける段階ではないという判断ですか?まだ機が熟していないという感じなのでしょうか?

 

小山:前者4割、後者6割という感じですね。ある意味、もっとモニプラで修行した方が良いと思っています。モニプラって我々のように今までプロダクトアウトでやって来たようなメーカーにとっては、「ソーシャルの窓」なんです。大抵の企業では、今だといきなりTwitter始めるかFacebook始めるかで、お客様との本質的なコミュニケーションの取り方をトレーニングされないまま、いきなり完全オープンな場所での活動をスタートしてしまうことが多いのではないでしょうか? でも私は、企業とユーザーがお互いにある種の了解の元に参加するモニプラという枠組みの中で、ソーシャルでの立ち振る舞いを練習した方が良いと思うんです。

 

――Facebookページでコミュニティーガイドラインを作るべきかという議論になる時、企業は「ソーシャルメディアは自由過ぎて怖い」「何が起こるかわからない」と感じ、ユーザーの方もどのような感じで参加していいか、ルールが全くないからどう向き合ったら良いか分からないと思っているという話を聞きます。お互いにある程度のルールがあったほうが逆に参加しやすいのかもしれませんね。

 

小山:例えば、いきなり合コンをやるよりも、料理合コンのほうがいいじゃないですか(笑)「今日は料理するためにあつまっている」という共通の目的があれば、とりあえず一緒に料理してればいいわけだから。見ず知らずの男女がいきなり何のテーマもなく集まってもお互い何を話していいかわからないですよね。そうすると「ご趣味は?」なんていう上滑りな会話に終始してしまったり、逆にウケたいと思って無理しちゃうわけですよ。そこには「付き合う・付き合わない」という最終的な欲求が透けて見えちゃう(笑)だから、共同作業という枠組みがあったほうが、お互いのエゴがぶつかる関係にならなくて済むんです。

 

――Facebookは実名、モニプラは匿名ですが、ユーザーへの信頼感みたいなものはどうですか?メーカー側からすると「匿名の人が言っていることに過ぎない」とか、「匿名だから無責任だ」という見方も出来ますし、リスクもあると思うのですが、2年間ファンサイトを運営してみていかがですか?

 

小山:そういうリスクが全くないわけではないとは思います。でも、理屈では説明し辛いんですが、なんかウチのファンは大丈夫という自信のようなものもあります。やっぱりお子さんを介して、一緒に成長を喜び合う関係というのが出来ているからかもしれませんね。

 

2006年に幼児ドリルの発売30周年記念キャンペーンで、モバイルを使った携帯フォトコンキャンペンというのをやったことがありました。初めてそういう取り組みをしたんですが、「お子さんの『出来たー!』という喜びの瞬間を写真に撮って送って下さい」という企画で、非常に評判がよかったんです。その時、多少はネガティブな反応があるかなと思って、結構怖かったんですが、蓋を開けてみたら一件も無かった。このキャンペーンは2006年から2008年まで続けたんですが、3年間ネガティブなコメントや、炎上みたいなことは一切ありませんでした。この経験があったので、私たちがどう受け入れられるか、ユーザーである方達がどういう人かということに対して、ぼんやりとした信頼感がありました。だから、慎重であるべきだとは思いますが、マイナスの方向に関して必要以上に恐れてはいません。

株式会社くもん出版 経営企画部 チームリーダー 小山衆氏

株式会社くもん出版 経営企画部             チームリーダー 小山衆氏

 

――参加される方達にも運営の意図やコミュニケーションしたいテーマがちゃんと理解されているということですね。

 

小山:だとおもいます。おしなべて「ウチのお客さん達って本当に良い人たちだよね」っていうのが我々の感想です。

 

――小山さん達がそう思っていらっしゃるから、その気持ちが伝わっているんじゃないでしょうか。人って信頼されると悪いことは出来ませんよね(笑)

 

小山:だから、クロージングはしない方がいいんだなと思ってるんです。そんなテクニックを使いだしたら、「いつかクロージングされるんだろうな」って思われちゃう。実は売りつけようとしてたのねって(笑)それって敏感に感じますよね、お客様って。

 

――たしかに、ブロガーの人たちも企業に「利用される」と感じたらすぐに去っていってしまいますよね。実名だと関係性によって気まずさがあったりしますが、匿名だと気兼ねがないし、自分が楽しくなるためにブログを書いているのだから、いやな思いはしたくないという気持ちが強く働くのかもしれません。

 

小山:だから実は、実名より匿名で信頼を得るほうが難しいといえるかもしれません。匿名でも支持してくれて、応援してくれるという状況に出来なければ、実名だからというだけでそれが出来るわけじゃないですよね。

 

――もっとソーシャルメディアが浸透していくと、いつか匿名のモニプラユーザーも実名でFacebookを使うようになって、ソーシャルメディアでの御社の活動を後押ししてくれるサポーターのような役割を担ってくれるようになるのではないですか?

 

小山:はい、ファンサイトの人たちはいつか、弊社の活動のサポーターになってくれるだけじゃなく、“核”となる人たちになってくれるだろうという認識を持っています。

 

 

ソーシャルメディアを通じて顧客と向き合うことが企業存続の鍵になる

 

――今は時流がソーシャルメディア、SNS、Facebookという方向に急激に流れていて、ソーシャルメディア=Facebookのように思われていますが、いきなり始めるのではなく“ソーシャル”のトレーニングをしたほうがいいですね。

 

小山:そう、いきなりFacebookみたいな大海に飛び込まない方が良いと思いますよ(笑)我々が言うのも大変生意気なんですけれども、虚心坦懐にお客様と関わるということとはどういうことなんだろうというのを、“プール”で体験することがすごく大事なことなんじゃないかなと思います。

 

私たちが製品体験イベントやモニプラなど、お客様と直接関わる取組みの中で改めて感じることは、お客様の一人一人と向き合う時に我々になにが起きるかということなんです。どうしても企業というのはお客さまをセグメントという「かたまり」として考えがちですよね。F1層ガッツリみたいに(笑)でもそれってとても危険なことで、お客さまは「私ってF1層の一人よね」なんて思っていない。それどころか括られたくないと思っていますよね。「私はちょっと違うの」っておっしゃる方、多いじゃないですか(笑)ソーシャルメディアでは一括りにされたくない個人の方と、あなたと私の関係にならざるを得ない。一対一で向き合ったら、大抵の人は嘘はつけないし、出来れば目の前の人を喜ばせたいと思う。笑顔でいて欲しいですよね。これは心理学的に人間の本質らしいです。人間は群れで生きる動物だから、他人に親切にしたいという本能があるのだそうですよ。

 

だから、お互いの顔が見えなくなったとき、他者に対する不親切や不誠実が生まれるとすれば、企業も同じでしょう。でも今、ソーシャルな時代になってきて、企業と個人もあなたと私の関係になる。そうした時に不誠実なことはしたくないし、喜んで欲しいと思う。もしかしたらこれは、我々企業の人間を善くなるほうへ導いてくれるんじゃないかなと思っています。だから、ソーシャルメディアを通してお客様と付き合っていくということは、我々自身を“善く”することだし、我々が善くなれば結果として、「くもんさんにそのまま存在し続けてほしい」と言ってもらえるんじゃないかと思うんです。

 

――今までは、くもん出版と私という付き合い方だったのが、くもん出版の小山さんと私という関係に変化しているのですね。今後社員の方一人一人が全員がそういう状態になったとき、会社としてどう対応していくかというのは検討なり準備なりをされているのですか?

 

小山:現在、企業がソーシャルメディアを通して、特定の個人のキャラクターでお客様と相対してるということがよくありますが、どちらかというと私はこれに対して否定的な考えを持っています。これはそれぞれの立場によって違うと思いますが、例えば担当者Aとお客様、この関係を担当者がBにスイッチした時でも、お客様からは「AさんでもBさんでも一緒だ」と思ってもらいたい。塊から個人になってそれがまた塊に戻ることで、担当者が誰であろうとも「くもんさん」という人になるんですよ。企業が人格化するということです。みんなが自主的に同じ動きをすることで、大きな一匹の魚に見えるイワシの群れのようなイメージですね。だから群れの中で一匹だけ違う方向を向いて泳いでいる魚を目立つからといって、代表的なキャラクターにはしたくない。それはその彼なり、彼女なりのお客様との関係であって、企業人格との関係ではないんです。だから、イワシの群れのようにイチニのサンで動ける、誰が担当しても「やっぱりくもんさんだよね」って思ってもらえるようにしていかなきゃいけないということだと思っています。

 

――小山さんが目指しているソーシャルメディアへの取り組みとは、会社自体をソーシャル化するためのパラダイムシフトなんですね。

 

小山:そうだと思います。でもこれは私一人が考えている訳ではなく、幸いにして弊社はそういう体験をリアルなところで積んできているので、多分社員一人一人がそれを言葉にしていないだけで、ぼんやりとそうあったらいいなと思っていると思います。元々、公文式教室の創業者がわが子のために手作りした教材がとても効果があったから、ぜひどうぞという気持ちでまわりの子どもたちに広げたのが、KUMONの始まりなんです。だから、この親切運動のようなものの根底にあった「ソーシャルのDNA」が、今でも社員の中にあると思います。基本的な理解は高いので、実感すれば体得は早いはず。あとは「慣れ」なので、そこに向かう道をどう作っていくかが、自分自身のテーマなのかなという気がしています。

 

例えばファンサイトの運営に関して、今は一人で担当してもらっていますが、これだと他のスタッフには人ごとになってしまいがちなので、ファンサイトで起きていることを社内に出来る限り発信していって、社員の共感をまず高めていくということがファーストステップですね。次に「じゃあ、みんなもやってみようよ」、「じゃあ、今月このイベントはやってみない?」という形で、チームから部へ、もしかしたら他の部門にも、と少しずつ「ソーシャル慣れ」の範囲を広げていくことが必要だろうと思っています。

 

――オウンドメディアをソーシャル化するだけで、企業がソーシャルメディアに対応していけると思ったら大間違いなんですね。

 

小山:経営方針から企業文化、スタッフの意識まで、全部がきちんとソーシャルに向いた段階で、ソーシャルなマインドで作り上げた公式サイトこそが、本当にソーシャル化されたオウンドメディアと言えるのではないでしょうか。そこは単なるテクニック論じゃない。だから我々みたいなメーカーという立場の企業は、直接お客様とコミュニケーション出来る場を、もっともっと作っていったほうが良いと思います。コミュニケーションしているときのお客様が一番色々教えてくれるんです。「あ、そう言うことを考えたんだ」、「じゃあ、どうすれば喜んでもらえるのか」全部ファンに聞けという感じですね。

 

 

くもん出版 小山衆氏&宮本友紀子氏

 

 

<インタビュー後記>

『東京おもちゃショー2012』のくもん出版ブースに飾られた、ファンからの手書きメッセージには、どれも「我が子の成長への喜び」が溢れていました。来場者の方々もきっと共感されたに違いないその想いを引き出せたのは、お二方がファンサイト運営を通じて自社のファンを真摯に観察し、深く理解してきたからこそ。そして予想以上だったという反響はファンとのエンゲージメントが醸成しつつある証だと感じました。今はまだ“プール”でトレーニング中だという同社が今後、パートナーとなったファンと一緒にソーシャルメディアという大海をどう泳いでいくのか、期待が膨らみます。(SMM Lab  藤田)

 

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プロフィール

小山衆氏
株式会社くもん出版 経営企画部 企画チームリーダー

宮本友紀子氏
株式会社くもん出版 編集部 絵本・幼児教材チーム

 

くもん出版 公式サイト:http://www.kumonshuppan.com/
くもん出版 fansite:http://monipla.jp/kumonshuppan/

 

インタビュアー:藤田 和重(アライドアーキテクツ株式会社 SMMLab)

 

■参考リンク:国内最大規模の企業ファンサイトモール「モニプラ」
http://socialmedia.monipla.jp/

 

■元記事 ・http://smmlab.aainc.co.jp/?p=14713


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