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機能やコンテンツを限定するメリット

2012/10/16 09:00 投稿

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自分の作品が完璧だと思うのは、付け加えるものが何もなくなった時ではない。取り去るものが何もなくなった時だ。

 

これは故スティーブジョブズが話していた、優れたプロダクトに関する考え方の一つです。

 

僕もこの言葉にはとても共感するところがあり、自分がサービスの企画をする時は常に意識していますが、Webサービスの立ち上げにおいては加えて以下の2つを意識すると良いのではないかと思います。

 

機能を「隠す」

重要な機能を全面に押し出し、サブ的位置づけになる機能は奥に引っ込める。機能としては存在していても、見せ方を工夫する。

 

 

機能を「小出しにする」

将来構想を描いた上で、初めは機能を限定したものをリリースし、順次追加機能をリリースしていく。

 

あれもこれもやりたいサービスの企画者にとっては、上記2点は「完全に機能を削ってしまう」ことに比べれば決断しやすいことだと思いますが、これらの施策には以下のようなメリットがあると考えています。

 

 

サービスのアイデンティティを確立する

これはGoogleの例が最も分かりやすいと思います。彼らはコンシューマー向けに多くの優れたサービスを提供しているのにも関わらず、Googleのトップページには、いつまで経っても検索エンジンが大きく表示されています。これにより、「Google=検索エンジン」というブレのないブランドイメージや、“人類が使うすべての情報を集め整理する”という企業理念が体現されています(逆に言えば、今後企業としての方向性が変化していけば、この見せ方も変わっていくのかも知れませんが)。このように、そのサービスのコアとなる機能やコンテンツを意識した仕様設計や見せ方の工夫を行うことで、サービスのアイデンティを確立することができると考えています。

 

 

ユーザーの心理的満足を満たす

ユーザーがサービスを使いこなせている(または彼ら自身がサービスを使いこなせていると感じている)ことは、サービスの定着に重要な要素だと考えています。自分に必要な機能がそのサービス全体の10%でしかない場合と90%を占める場合では、サービスを使っている時のユーザー心理に少なからず違いがあるはずです。後者の方がより強く「このサービスは自分に合っている」と感じるのではないでしょうか。よって、想定するサービスボリュームが大きい時は、まずはターゲットとするユーザーのリテラシーに見合った機能/コンテンツでリリースをし、彼らのサービスへの理解が深まったところで順次機能を拡張していく方がベターです。(ただし、初期リリース時にサービスの肝になる機能まで省いてしまわないように注意が必要ではあります)

 

 

ユーザーの声を収集する

個人的に、「不足は要望を生む」と考えています。サービスのコンセプトやコアとなる機能でユーザーをグリップできていれば、その周辺で欠けているものがあったとしてもユーザーを失うことは少なく、むしろユーザー側から「もっとこんな機能が欲しい」と声が集まってくるはずです。そういった貴重な意見を参考にし、早い段階でサービスの方向性を軌道修正することができます。逆に、初めから与え過ぎれば、サービスの期待感を醸成したり要望を吸い上げたりすることが難しくなります。また、途中で方向性を修正しようにも、柔軟性を欠く大規模システムになってしまってからでは手を打ちづらいでしょう。

 

 

サービス作りは本当に様々なメリット/デメリットを何度も天秤に掛けながら進めて行くものだと思いますが、1つの考え方として参考になれば幸いです。

 


masaki

">by 渡辺 将基

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