石破 茂 です。
 大方の予想を覆す形でドナルド・トランプ氏が次期合衆国大統領に就任することとなりました。
 昨年の今頃、ドナルド・トランプ候補の勝利を予測した人はほとんど皆無に近かったと思います。私も勿論その一人で、何を言っても所詮、後講釈になってしまいますが、トランプ候補が、ファーストレディ、上院議員、国務長官などを務め、比類ない知名度と経歴を持つヒラリー・クリントン候補に勝利するために、従来の大統領像を壊す、ポリティカル・コレクトネスなどほとんど無視した候補者像を演出してきたのかも知れない、とふと思ったことでした。
 
 合衆国内の資産格差は、上位1%が保有する金融資産が下位90%の総量よりも多く、その差が近年急速に拡大しつつある、という日本では考えられないもので、所得もまた同様の傾向にあります。トランプ支持層と言われた白人非エリート層のみならず、クリントン支持と言われたマイノリティや