2013年04月11日発行 第0741号 特別
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■■■ 日本国の研究
■■■ 不安との訣別/再生のカルテ
■■■ 編集長 猪瀬直樹
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○ ○ ○ ○○○ 3月6日発売 ●●● ● ● ●
□■『欲望のメディア』■□
(小学館文庫 税込770円)
テレビの歴史は昭和とともに始まった。
巨大化する人間の欲望を飲みこみながら、
テレビは日本的社会システムの同質性をいかにして強化してきたのか。
本書は、力道山、田中角栄ら時代の寵児たちの姿をとらえつつ、
メディアの発達史という観点から現代の天皇制を世界的規模で鋭くよみ解く。
大宅賞受賞作品『ミカドの肖像』、『土地の神話』に続く
「記号としてのミカド」シリーズ完結編
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○ ○ ○ ○○○ 3月6日発売 ●●● ● ● ●
□■『増補 日本凡人伝』■□
(ちくま文庫 税込840円)
葬式中継アナウンサー、調香師、消防調査員……
市井の人々の胸中にさりげなく入り込み、怒りや悲しみ、
そして仕事への誇りを語らせる。
インタビューの真髄を見せつける「日本凡人伝」シリーズの傑作選。
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「シェークスピアと源氏物語は読んでください」(首都大学東京入学式・祝辞)
原島文雄学長のお話は、国際化・グローバリズムのなかで首都大学の学生が
どう生きるかという重要なメッセージでした。そして川淵三郎理事長はJリー
グの経営の経験から、先前例に基づかないことをやって、先陣を切ることが大
事である、という非常に重要なメッセージでした。
先日、長島茂雄監督と元ヤンキースの松井秀喜選手が国民栄誉賞をもらいま
したね。しかし、一つ忘れている人がいる、野茂英雄投手です。野茂投手が先
陣を切って大リーグ、メジャーリーグに挑戦した。先陣を切る人物が重要です。
野茂投手はいずれ国民栄誉賞をもらえると思います。野茂投手につづいて大
リーグの選手になった人が今50人います。区切りのいい、100人ぐらいまで
きたら、野茂投手が国民栄誉賞になるのではないか。人がやれなかったことを
やる、誰にもできないと思われていたことをやる、それは自分に根拠があるか
らやるのです。
自分に根拠があるというのは、どういうことか。野茂投手は自分で鍛錬し、
自分のフォークボールに自信がある。努力があり、たぶんそれが世界で通用す
るという仮説に基づいてチャレンジする。国際化社会のなかで、前例に基づか
ないで何かをやるときの一つの例です。
野茂投手が行ったら、みんなが行くようになった。野茂投手は自分の夢のた
めに行った。しかし自分の夢はみんなの夢であります。自分の夢が成功すれば、
みんなの夢が成功する。やはり一人ではない。みんなのためにやっている。そ
の二つの要素が重なり合ってさらに努力をつづけて新しいものを見つけていく。
みなさんは、もう大学に入って、あるいは大学院に入って、人からどう見ら
れるということはまったく気にしなくていい。中学や高校ではクラスの中でど
う見られるか、またいじめの対象であったり、いろんなことがあったと思う。
今はもう考えなくていい。自分に根拠をおいて、自分で何かに疑問を持ち、仮
説を立て、仮説を実証するために努力する。
人の言うことは気にしない。いいですか、その代わり、努力をしなければい
けない。ハッキリ申し上げますが、外国の一流の大学では少なくとも500冊
は難しい本を読まなければ卒業できない。おかゆのようなご飯を食べるのでは
なく、玄米のような硬いものを咀嚼する、それを500冊やらないと卒業でき
ない。日本はそれをやらなくても卒業できる仕組みになっている。約束してい
ただきたい。少なくともシェークスピアと源氏物語は読んでください。もちろ
ん、シェークスピアも日本語の翻訳で結構です。源氏物語も現代語訳で結構で
す。
まずは、言葉の基本を頭の中できちんと整理することです。人々が考えてき
たことは言葉の表現としてつくられてきているのだから。まずは基本を身につ
けてほしい。大学教育はリベラルアーツです。まずそれがあって、初めて外国
の人と話ができる。英語力の問題ではない。
自分の考え方がしっかりしているかどうかで、外国の人ときちんと話ができ
るかどうかが決まる。自動車をつくって、あるいは最先端のソフトをつくって、
そして外国の人と話す前には、歴史的背景と文化が一つの決め手になります。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを東京がなぜ進めているのか。今
年1月にロンドンでプレゼンテーションをしました。3月にIOC評価委員会
の人が日本に来た。東京はなぜオリンピックをやるのかを説明する前に、東京
の優れた点を説明できなければいけない。もちろんテクノロジー、イノベーシ
ョン、そしておもてなし(ホスピタリティ)、それだけではない、ヨーロッパ
以外に初めて近代化を成し遂げた国のソフィスティケートされたこの世界は何
なのかということを、きちんと説明できなければならない。相手の文化に対し
て日本の文化は何なのか、ということを説明できなければダメなのです。
皆さんもこれからの数年間は、自分がどの文化圏に属していて、自分の文化
とは何なのかということを、もちろん大学のときに日本の本を読み、研究室で
実験もするのです。そういうなかで、自分の文化とは何なのかということを考
える。
許された時間が君たちには数年ある。ここで自分に根拠を持たなければ、自
分に自信を持たなければいけない。この数年間で得た自信がたぶん人生の全て
になります。
これから東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本人が心のデフレを
取り払い、そして日本人自身が自信を回復していかなければならないし、すで
にみなさんのお父さんお母さん方がつくり上げてきた実績があるが、その実績
のうえに君たちが何を付け加えなければいけないか。それを考えるには、歴史
的な時間軸をきちんと取らないといけない。
何年に何が起きたか。歴史を勉強しておく。少なくとも黒船来航以来150
年くらいの歴史です。つまり黒船が来たときというのが日本が国際社会・グロ
ーバリズムに組み込まれた瞬間ですから。そこから150年をきちんと頭に入
れながら、自分たちが何をつけ加えればいいのか、それをぜひ考えて欲しい。
(4月7日)
*
「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp
猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■掲載情報
・You Tubeにて、4月6日に放送された MXテレビ9CH『東京からはじめよ
う』(ゲスト:乙武 洋匡氏)が提供されています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL874C650250E25DD7
・4月5日発行『潮』5月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
第11回にオイシックス代表取締役社長 高島宏平氏との対談「生産者と消費
者をつなぐ商品の『ストーリー』」が掲載されました。
・4月10日発行 たちばな出版『伝統と革新』に、五輪招致などについてのイ
ンタビューが掲載されました。
・3月22日発行月刊『BOSS』に、五輪招致などについてのインタビューが
掲載されました。
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○ ○ ○ ○○○ 2月6日発売 ●●● ● ● ●
□■『土地の神話』■□
(小学館文庫 税込750円)
都知事就任の25年前から、いまの東京ライフスタイルをつくった
近代都市開発の起源を徹底的に調べ上げていた!
猪瀬流都市論の原点となった読み応えのある傑作。
関東大震災後、東京という街がいかにしてでき上がっていたかを
検証する『ミカドの肖像』の続編ともいえる近代日本論。
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□■『ミカドの肖像』■□
(小学館文庫 税込980円)
緊急増刷!
作家・猪瀬直樹の原点にして代表作。
天皇と日本人、伝統とモダン……。近代天皇制に織り込まれた記号を、
プリンスホテルと西武王国の起源にさかのぼることで読み解いた、
不朽の名作(第18回大宅壮一ノンフィクション賞受賞)。
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○ ○ ○ ○○○ 大増刷出来!! ●●● ● ● ●
□■『解決する力』■□
(PHPビジネス新書 840円(税別))
「東京電力とのバトル」、「オリンピック招致」、
「災後社会のネットワークづくり」など、
東京都のマネジメントに絡む出来事をネタに、問題解決力を磨く考え方、
行動の仕方、強いメンタルの保ち方などをわかりやすく説く!
「その日までが勝負」と「その日のみの勝負」
改革とは具体的な数字を示すこと
決断は見切り発車で
ツイッターがつないだ奇跡の絆
日本人に足りない言語技術力
など、世の中の最前線で闘ってきた著者ならではのメッセージが満載。
ヒット作『決断する力』に続く、臨場感あふれるビジネススキル読本
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□■『地下鉄は誰のものか』ちくま新書 税込735円■□
東京の地下鉄は2つの事業体によって運営されている。
そのためとんでもない不便を強いられているのは
利用者なのである……
改革のためには通勤苦の現状をよしとする
既得権益者との戦いが必要であり、
利用者自身もいまどんな不合理にさらされているか、
よく知らなければならない
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〇大震災後、東京都を陣頭指揮する副知事の思考と行動20カ条〇
首都直下型地震への取り組みとは何か
□■『決断する力』■□
(PHPビジネス新書 税込840円)
「いざ」というとき、立ち止まるな!
走りながら考えろ。
ソーシャルネットワークを使った情報収集・発信・即断即決→事後承認、
見えない恐怖を可視化する、先を見通してリスクの芽を摘む、昨日を基準
に今日を生きない……。大震災後、東京都を陣頭指揮するリーダーが、
首都直下型地震対策として自ら実践しているノウハウを、ビジネスマン
向けにアレンジして紹介!
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□■『東條英機 処刑の日 』■□
〔アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」〕
(文春文庫 税込630円)
猪瀬直樹氏は、
子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
アメリカが日本に仕掛けた
対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
霧のような薄闇を払っていくのである。
梯久美子(「解説」より)
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□■『昭和16年夏の敗戦』 □■
(中公文庫 税込680円)
1983年に世界文化社から刊行され、文春文庫になり、『猪瀬直樹著作集』に
入り、ロングセラーとして版を重ね昨年6月に中公文庫に収録された作品です。
巻末には勝間和代さんとの特別対談「日米開戦に見る日本人の『決める力』」
が収録されました。
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□■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
(中公新書 税込777円)
「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)
*
作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。
第一部 「言語技術とは何か」
第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
第三部 「未来型読書論」
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□■『突破する力』■□
(青春出版社 税込800円)
道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
本気の仕事&生き方論。
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