「とりあえず僕の中では、終わったことが(全て)。死ぬと思ってたから…」

 

 ――藤田和之選手があれだけ顔面蹴りを食らってもなお倒れないと、蹴ったほう(大地)としては怯みますね。

大地 あれが効かなかったんで…。

――それでも「遠慮するな」とは恐ろしい。

大地 ええ。

――関係者からは何か言われましたか?

大地 いや、まだ。とくには……。とりあえず僕の中では、終わったことが(全て)。死ぬと思ってたから…。

――ええーーッ!

大地 死ぬか、また骨折するか。

――それくらいの覚悟はしたと。

大地 ええ。(骨折を)してるかもわかんないけど。下手したらヒビが行ってるな。

――それは経験上?

大地 はい。折れてはいないです。

――ドクターにはなんと言われたんですか?

大地 「折れてはない」って。「もし痛みが続くようならレントゲンを撮りなさい」って言われました。

――とりあえず入団後、IGFのリングを初体感したわけですけど?

大地 もうちょっと必要かな?

――何が必要ですか?

大地 リングで闘う準備というか。

――場慣れしてくればまた違ったものがね。それとこれは試合前にも言いましたけど、藤田和之を相手にしてしまえば、恐怖心にしろ、これ以上はなかなかないんじゃないですか?

大地 どうなんですかね?

――どうなんですかね?

大地 あー、疲れた(笑)。

――他の試合は見ました?

大地 観てるものは観てます。

――どの試合が印象に残りました?

大地 ええ?

――何かあれば。

大地 少ないですからね。ちゃんと観ていたのは5代目ブラックタイガーの試合でしたね。

――湧いてましたね。

大地 魅せていましたね。

――藤田戦では、観客の雰囲気はどうでした?

大地 いや、それが全く覚えてないんですよ。久しぶりですよ、こんなに覚えていないのは。

――いつ以来?

大地 デビューして少し経ってから。それ以来ですね。

――じゃあ3年ぶりくらい?

大地 (2011年の)3月にデビューして、7月くらいからはだんだん声が聞こえるようになったんですよ。

――てことは、2度目のデビュー戦を終えたような感じ?

大地 かもしれないですね。

――実際、そんな感じでしょう。

大地 リングに上がるまでは怖かったですけどね。

――何日くらい前が一番怖いと思ってたんですか?

大地 僕、あんまり緊張とかしないからわかんないですけど、(福岡への)飛行機に乗ってる時くらいから徐々に「うわーっ」てなって。何回も気持ちを切り替えようとしてるんですけど、上がるんだけど下がり、また上がるんだけど下がり。そうやって上り下がりを繰り返してて。

――そんな感じだったんですね。

大地 それで、僕のV(紹介映像)が流れたじゃないですか。

――試合の直前ですね。

大地 その後、入場曲が鳴る寸前まで。ヤバかったですね。

――あの瞬間まで!

大地 で! リングに上がって、ゴングが鳴った瞬間にはもう、面と向かっての恐怖心はなかったですね。だから、鳴っちゃえば平気なんですよ。

 

713日、福岡市のホテルにて収録/聞き手◎“Show”大谷泰顕】

※次回は、橋本大地がさらにさらに藤田戦を語ります。お楽しみに!