深みのある作品にはいくつか要素があります。
一つはテーマです。自分が感動、発見した情景を表現したいというメッセージが作品から伝わってくるかどうか、そしてその感動や発見を鑑賞者と共有できる空間を作れているかどうかでしょう。しかし難しいのはその空間に彼らが滞在し、同じ気持ちになるかどうかです。絵を描く人の気持ちはもちろんのこと、人の気持ちも常に変化していて、そこで重なるのはとても貴重なことであり、稀なことです。その描き手と鑑賞者がより多く重なるために、以下の要素が考えられるでしょう。
一つ目はデッサン力です、形をしっかり捉え、表現したいものを忠実に再現し、テーマを理解させることです。それには鉛筆デッサンや速写の日々の訓練が必要です。
二つ目は混色です。色はテーマのイメージを左右し、楽しさ、幸せ、悲しさ、寂しさなどの感情を表現します。光と影、暖色と寒色の訓練も必要です。
三つ目は感性とタッチです。これは描き手の感情の延長線にあると考えます。上記の二つと異なるのは、これが感情を表す特徴的な手段であるということです。作品に生命が宿り、深みを出すためには、同様に日々の訓練によってタッチが自然となり、そして日々美しいもの、感動するものを純粋な気持ちで感じることが必要なのです。
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