結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年7月7日 Vol.171
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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新刊の話。
来月刊行の新刊『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』は、 現在アマゾンで予約可能な状態になっています。 みなさんの応援のおかげで、 暗号理論カテゴリ「ほしい本」第一位になっています!
すでに原稿はすべて編集部に送られており、 今月は校正作業が続くことになります。
毎回書いていて恐縮ですが、新しい本が出るというのは、 いつもわくわくしてしかたがありません。 この本を楽しみにしている読者さんに、 しっかりした本を届けるべくがんばります!
◆『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』
http://www.hyuki.com/cr/
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無料プレゼントの話。
来週の月曜〆切で、
ハングル版「数学ガールの秘密ノート」シリーズの
無料サイン本プレゼント企画
を行っています。
ご興味のある方は、以下をごらんの上、お気軽にご応募ください。 また、本書に関心のある方へURLをお伝えくだされば感謝です。
◆ハングル版「数学ガールの秘密ノート」シリーズ《サイン本無料プレゼント》
http://blog.textfile.org/20150704/present/
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仕事の状況整理の話。
昨日、筑摩書房さんから明細が届いて、 『数学文章作法 基礎編』電子書籍の売上がわかりました。 契約上、具体的な売上数はオープンにできないのでここには書きませんが、 想像以上に売れ行きがよくて感謝です! タイミング的に『推敲編』の数字がまとまるのはこれからですが、 こちらの方もとても楽しみにしています。
◆『数学文章作法 基礎編』
http://mw1.textfile.org
◆『数学文章作法 推敲編』
http://mw2.textfile.org
来月暗号本が出た後、 今年はもう一冊『数学ガールの秘密ノート』のベクトル編を出版予定です。 現在は、Web連載のファイルを編集し、構成を考えている段階です。
具体的には、ベクトル編のファイルを管理するGitリポジトリを作り、 Web連載時のファイルをそこに入れました。 自作のPerlスクリプトでWeb連載時の形式から、 書籍用のLaTeXに変換したところ。 これをベースにして書籍向けに仕上げていくのです。 これからバリバリと加筆修正をしていきますよ!
そして、今年なんとか脱稿を!と目指しているのが『数学ガール6』です。 現在は第3章あたりをうろうろしており、
「よしこれだ!」
という状況まではまだ至っていません。苦戦中。
などなど。 自分の好きなことを仕事にできるというのは、 この上なく感謝なことだと思っています。 いつも応援ありがとうございます。
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ところで、Web連載の話。
CakesでWeb連載している「数学ガールの秘密ノート」は、 先週から新しいシーズンに入りました。 毎回10週単位で一つの「シーズン」を構成し、 それが5章まとまりで一冊の本になります。
前回は「行列が描くもの」というシーズンでした。 今回は、
やさしい統計
というシーズンになる予定です。 先週の第1回「平らに均す平均値(前編)」はタイトル通り、 平均値のお話でした。
本当に基礎的な話に絞って、 でも大事なポイントは押さえていきたいと思っています。
毎週金曜日に更新し、最新回は24時間無料で読めますので、 金曜日は「数学ガールの秘密ノート」の日と覚えておいてくださいね!
◆Web連載「数学ガールの秘密ノート」シリーズ
https://cakes.mu/series/339
Web連載は今週で連載122回目。 すでに五冊が書籍化されました。 休みつつではありますが、まさに「継続は力なり」ですね。 応援してくださるあなたに感謝です!
統計についてはちょっと長くなる話があるので、詳しくは後ほど。
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ネットで見かける「非難」の話。
ふだんネットで暮らしていると、頻繁に「非難」を目にする。
ニュースサイトやブログのような場所での批判記事(に似せた非難)もあれば、 TwitterやFacebookでの非難もある。
誰かが何かを主張したのを非難する。 誰かの行動を非難する。 誰かの失言を非難する。
そういう記事やツイートはよく見かける。 ところで、それらを読みながらときどきゾッとすることがある。 それは非難そのものに対してというよりも、
自分自身の心のあり方について
ゾッとするのである。 どういうことかというと、非難している文章を読んでいると、ぼんやりと、
「ああ、この人は非難してもかまわない相手なんだ」
と考えている自分に気付くということ。
Aさんのことを、Bさんが非難している。Cさんも、Dさんも、 ネット上でたくさんの人がAさんを非難している。 観測範囲ではほとんどの人がAさんを非難しているように見える。
そんな状況を見ていると、 いつのまにか「Aさんは、非難してもかまわないんだ」 と考えてしまいがちだ。ああ、こわいこわい。
もちろん、Aさんに非難されてもしょうがない部分があるかもしれない。 でも、非難には「勢い」というものがあって、 ふだんなら看過されるようなポイントについてまでAさんは非難されたりする。
こわいのは自分自身だ。 いつのまにか私も、心の中で場の雰囲気といっしょになって、 Aさんを非難していたりする。へたしたら「Aさんについて、 他に非難できるところはないか」と探していたりする。 たいへんこわい。自分がこわい。
場の雰囲気に流されてばんばん非難していると、 自分がきちんと考えもせず、確認もしていないところまで 非難してしまうことがある。
なんのことはない。これは「いじめの構図」である。
みんながいじめているから、 自分もいじめてかまわないと考える危険性。
みんながいじめているから、 他にいじめるポイントがないかを探す危険性。
大人ですら、そんなふうに考えるんだから、 子供だって、同じように考えてしまうことは不思議ではない。
対処方法は思いつかないけれど、 気を付けておかなければならない。
* * *
さて、それでは今週の結城メルマガを始めましょう。
今回は、「再発見の発想法」のコーナーで、
「トークン(Token)」
という言葉に隠れている発想を見つけ出します。
なお、過去の「再発見の発想法」は以下からバックナンバーをたどれます。
◆再発見の発想法
http://www.hyuki.com/discover/
では、どうぞごゆっくりお読みください!
目次
- はじめに
- 再発見の発想法 - トークン(Token)
- 「やさしい統計」シーズンへ向けて - 文章を書く心がけ
- 40冊の著書 - 本を書く心がけ
- トラブルに向き合う - 仕事の心がけ
- おわりに
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Vol.170 結城浩/数学ガールの特別授業(ICUHS編)(2)/学ぶときの心がけ/仕事の心がけ/
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Vol.172 結城浩/数学ガールの特別授業(ICUHS編)(3)/「お言葉ですから」というキーフレーズ/