結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年5月20日 Vol.112
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。 いかがお過ごしですか?
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先日刊行した結城の最新刊、 『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』では、 三角関数と円、三角関数とサインカーブなどの関係がたくさん描かれています。
ツイッターを見ていたら、Web上で円周上の点を実際に動かして 遊べるページを作っている方がいらっしゃいましたのでご紹介。
◆@sonicdaw さんによるページ
http://entatonic.net/mathgirl/secret_note/sincos/chapter1/
直角三角形の一点が固定され、マウスで別の一点を動かすと、 sinやcosの値が表示されるというものです。ボタンで設定を変えると、 円が描かれたりサインカーブが描かれたりします。
楽しいですね。ありがとうございます。
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「数学ガール」シリーズの表紙絵や本文イラストを描いてくださっている たなか鮎子さんのインタビュー記事がWebにありましたのでご紹介します。
絵本を作ったり、版画を作ったり、絵やイラストを描いたり……というのは あこがれのお仕事といえると思いますが、このインタビュー記事の中では、 たなかさんの進路選択などについても触れられています。
「就活がターニングポイントだったなと思います」というたなかさんの決断。 何をどう考えて進路選択をし、どんな努力をしてきたのか……ぜひお読みください。
◆PEOPLE 05 たなか鮎子(絵本作家、銅版画家) - ORDINARY
http://ordinary.co.jp/people/2223/
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数学ガールといえば、今月の初め、 英語版『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』が刊行されました。 日本のアマゾンの洋書ランキングでは、 少年向け数学本ベストセラー商品ランキング1位にまでなったようですね。 みなさんの応援を感謝します!
◆Math Girls Talk about Equations & Graphs
http://www.amazon.co.jp/dp/1939326192
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あるりさん(@aruri_n)が、結城のアイコン(スレッドお化け坊や)のクッキーを 作ってくださったのでご紹介。かわいい!
◆結城おばけ先生もつくった - @aruri_n
https://twitter.com/aruri_n/status/467936403129499648/photo/1
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先日、筑摩書房の編集者さんと打ち合わせがありました。
『数学文章作法 基礎編』は、昨年2013年の春に刊行されてから、早いもので一年。 第5刷になりました。現在結城は続編の『数学文章作法 推敲編』を執筆中です。
推敲編はこの結城メルマガでも連載をしてきて、 先日いちおう最終章までたどり着きました。 ただ、一冊の本にまとめるにはまだあちこち欠けている部分がありますので、 そこを補って書籍化していこうと思っています。楽しみです。
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ところで、結城は打ち合わせの前には、 できるだけ現状をまとめて進捗を報告するように心がけています。 状況整理をしたり、自分の考えを前もって先方に伝えておくと、 「会う」という貴重な時間を有効に使えるように思うからです。
メールで済ませられることはメールでできるだけ済ませ、 会わなければできないことを会ったときにやるというのは、 とても合理的だと思っています。
しかしながら、何をメールでやりとりすべきか、 何を直接会って話すべきかというのは、 人によって(あるいは業種・世代によって?)考えは違います。
たとえば(一般論ですが) ある人は「謝罪をメールで行うのは失礼」と考えます。 でも別の人は「こちらが謝罪をするのに、 わざわざ直接会おうとして相手の時間を奪うのは失礼」と考えます。 ここには絶対的な正解はないのだろうなと思います。
それは、人と人との「間合い」のようなものです。 相手との距離感ですね。そして距離感は価値観にもつながる。 お互いにちょうどよい距離感で話せる相手とつきあえるのは心地よいものですが、 いつもいつもそういうわけにも行かないですね。
めんどうといえばめんどう、 おもしろいといえばおもしろいことです。
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先日、「若者よ、選択は重要だぞ」というツイートをしました。
◆結城浩の「若者よ、選択は重要だぞ」という話
http://togetter.com/li/666350
幸いに多くの人に読んでいただけたようで、 賛同のメッセージを多数ちょうだいしたのですが、 反論のメッセージももらいました。 反論のメッセージをもらうということは、 それだけ多くの人に届いたことの印かもしれません。
たとえば「選択が大事だといっても、 自分には選択できないことだってあるだろう」という反論。 これには「ごもっとも」と答えるしかないですね。 人生には選択可能なことも不可能なこともある。
ただ、結城が思うのは、一見選択不可能に見えるところにも、 選択の余地は意外にあったりするということ。 それから、過去に起きたことはもう変えられないのですが、 それでも、過去に起きたことや現状を受容するかどうかもまた、 一つの選択とはいえるだろうということ。
もう少し具体的に書くと、だれしも「後悔をする場合」というのはあるでしょう。 後悔が反省につながれば、次の改善になるかもしれませんが、 もしも、何年も何年も後悔し続けているとしたら、 それは必ずしも健全な状態ではないだろうとは思います。
「あのとき、こうしていれば」って何年も何年も悔やんでいるのは、 現状を受け入れる選択を拒否しているともいえる。 そして後悔によって自分の現在という時間を使いつぶしているともいえる。 何年後かに「あのときあんなに後悔しなければよかった」と言わなければいいのだけど。 そんなことしたら後悔したことを後悔するというメタ後悔になってしまいます (冗談抜きでそれは悲しいことです)。
「気持ちの切り換え」や「自分の意識をどちらに向けるかの判断」というのは、 毎日を健康に生きるために大切なことじゃないかなと思います。
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ツイートといえば、 次のツイートもたくさんの人から反応をいただきました。
ルビについて。
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よく思うこと。
子供が読む本だからと言って難しい漢字をひらがなにするのではなく、
大人が普通に使う表記にしてルビ(ふりがな)を振るのがいいと思う。
結城はルビが振られた本でたくさんの言葉を覚えました。
技術ってそういうところに使うべきだよね。
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結城が子供のころに読んだ本は、物語でも漫画でも、 難しい言葉(もちろん漢字)にたいていルビが振られていて、 それを読んでいるうちにずいぶん語彙が増えたと思っています。 ここでいう語彙は「書けはしないけど意味と読みを知っている言葉」ですけれど。
語彙がある程度増えてくると、本を読むのが楽しくなり、 さらに語彙が増えていく。小学校からずっと、やたら本を乱読しました。 その最初の起爆剤というかきっかけは、もしかしたらルビにあったかも。
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そんなところでそろそろ、結城メルマガを始めましょう。
今回は久しぶりに「フロー・ライティング」をお届けします。 「流れとバッファと呼び水と」というタイトルで、 文章を書くときに結城がいつも感じていることを言葉にしてみました。
それではどうぞ!
目次
- はじめに
- フロー・ライティング - 流れとバッファと呼び水と
- 「色つき星取表」から作業パターンを読み取る
- 書き写す作業の意味 - 本を書く心がけ
- おわりに
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Vol.111 結城浩/数学文章作法 - 推敲のチェックリスト/子供の教育と親のテコ入れ/若者でありたい/
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Vol.113 結城浩/再発見の発想法/note(ノート)5月の売上/言葉について思うこと/Q&A/