結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年4月1日 Vol.105
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。 いかがお過ごしですか?
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先日家内とディズニー映画「アナと雪の女王」を観てきました。 家内が「とてもいいらしい」という評判を聞いてきたからです。
実際、とてもいい映画でした! ストーリーはシンプルなのですが、それほど見え見えでもなく、 全編ミュージカルになっていて音楽がすばらしい。 大人でも楽しめる名作だと思います。
以下のビデオクリップはこの映画内で雪の女王が歌い上げる "Let It Go"という歌です。
◆『アナと雪の女王』特別映像「Let It Go」(英語版、イディナ・メンゼル)
https://www.youtube.com/watch?v=bvvxdie1F5k
ディズニーのプリンセスものなので終始女性視点で物語が進み、 家内は大満足のようでした。デートにオススメです。
上の"Let It Go"の歌を聴いてから、松たか子さんが歌う日本語版を聞くと、 その表現の違いがわかって非常におもしろいなあと思いました。
◆『アナと雪の女王』特別映像「Let It Go」(日本語版、松たか子)
https://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw
そして、驚くべきことに25カ国語バージョンというものまであるんですね! 歌のワンフレーズごとに国語が切り替わるというものです。
◆『アナと雪の女王』特別映像「Let It Go」(25カ国語版)
https://www.youtube.com/watch?v=6Qk5Fc1Vdqk
こういう映像を見ると「言葉というものは人と人を結びつける」と強く感じます。 いや「音楽」というべきかな……
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言葉といえば、 結城が書いた「数学ガールの秘密ノート」の第一弾「式とグラフ」が英訳されます。5月の刊行予定。
先日、トニーさんから最終ドラフトが届いたので全部読みました (内容はそらんじているので、英語が苦手でもすぐ読めました……)。
おもしろいですね! 何がおもしろいかというと、上の「アナと雪の女王」と同じく、 「意味は同じなんだけれど表現が違う」ことで、理解が多次元的になるというのでしょうか。
英語を学ぶ役にも立ちますし、数学を学ぶ役にも立つという素敵な本になりますね。 どうぞお楽しみに!
◆英語版「数学ガールの秘密ノート」シリーズ
http://bentobooks.com/math-girls-talk-about/
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さて、結城の最新刊『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』は4月末に刊行です。 現在《サイン本無料プレゼント企画》を行っており、申し込み〆切は今日(4/2)です! お早めにお申し込みくださいね。
◆書籍『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』刊行記念《サイン本無料プレゼント》
http://d.hatena.ne.jp/hyuki/20140323/note3
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結城はときどきTwitterで数学クイズを出すことがあるのですが、 そのときにどうしてもネックとなるのが「数式の表現」です。 数学をふだんやっている人にとってはTeXやLaTeXの書き方で問題ないのですが、 そうではない方にはちょっとつらいことがあります。
単純な数式なら、たとえば 「x^2 = -1」と書く代わりに「xを2乗したら-1に等しくなりました」と文章で書く方法もありますが、 それにも限界があります。
そんなときにはオンラインで数式が書けるサービスが便利です。 "online latex viewer"などと検索すればたくさんのサービスがすぐに見つかります。
たとえば、以下のTexifyは数式をTeX形式で入力すればすぐに画像に変換してくれます。
◆Texify
http://www.texify.com
Texifyでは二次方程式の解の公式が以下のような画像になります。
Texifyよりももう少しきれいな画像を作るサービスに、CodeCogsがあります。
◆CodeCogs: Online LaTeX Equation Editor
http://www.codecogs.com/latex/eqneditor.php
CodeCogsを使うと、次のような問題も簡単に画像化することができますね。
CodeCogsは短い数式を画像化するものですが、 以下のwriteLaTeXはもっと本格的なサービスで、 レポートや論文をオンラインで書いてしまおうというものです。
◆writeLaTeX
https://www.writelatex.com
最近のWebサービスは多種多様ですね。
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結城はTwitterで @maanow (The Mathematical Association of America)をフォローしています。 先日、When Random Doesn't Sound Like Itという興味深いページを紹介するツイートを見かけました。
これは音楽配信サービスのSpotifyが曲をシャッフルするときのアルゴリズムの話題です。 普通にシャッフルすると同じアーティストの曲が続けて流れてくることがあり、 顧客から「ちゃんとシャッフルしているの?」と苦情がきたとのこと。
そこで、Spotifyの人たちは単純にランダム化するのではなく、 おなじアーティストがクラスタ化しないよう均等に分布させたようです。 そこでは、黒と白の点でグレーを表現するディザリングと類似の技法を使っています。
なるほど。
◆When Random Doesn't Sound Like It
http://www.maa.org/news/math-news/when-random-doesnt-sound-like-it
◆How to shuffle songs? - Spotify Labs
http://labs.spotify.com/2014/02/28/how-to-shuffle-songs/
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Computer History Museum(コンピュータ歴史博物館?)で、 MS-DOSとWord for Windowsのソースコードが公開されるというニュースが流れていました。
◆Computer History Museum Makes Historic MS-DOS and Word for Windows Source Code Available to the Public
http://www.computerhistory.org/press/ms-source-code.html
ソースコードが博物館で公開というのはちょっと変な気分になるかもしれませんが、 プログラムは人間が必死になって作り上げた文化的創造物だと考えれば不思議なことではないですね。
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先日、こんな記事を見かけました。
◆なぜSNSに我が子の写真をアップしたら危険なのか?写真データの怖さ
http://news.livedoor.com/article/detail/8644642/
まあ、コンピュータやインターネットに詳しい人なら当然のことが書かれているのですが、 写真データの中にある「Exif情報」(イグジフじょうほう)については意外に知らない人もいるらしいです。
◆Exif情報
http://ja.wikipedia.org/wiki/Exchangeable_image_file_format
Exif情報には撮影日時や画像の解像度などの情報の他に「GPS情報」が含まれることがあります。 GPS情報というのは「緯度・経度・標高」すなわち場所の情報ですね。
たとえば自宅で撮影した写真をブログやTwitterで公開した場合、 このExif情報(特にその中のGPS情報)がファイルに残ったままだと、
写真データから自宅を特定できる
ということになります。 これを避けるためにはアプリを使ってGPS情報を削除してから公開するなどの工夫が必要になります。
ご注意くださいね。
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さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
今回は、「数学文章作法」をお送りする予定でしたが、 いささかまとまりが欠けた内容になってしまったので、 もう少しお時間をいただくことにします。すみません。 新学期最初ということもありますので、新年の抱負(年間目標)を振り返ってみましょう。 考えてみると、もう一年の四分の一が過ぎてしまったんですものね!(驚愕) また「炎上を起こさないためのネットコミュニケーション」も合わせてお読みください。
それではどうぞ!
目次
- はじめに
- 年間目標(書籍、連載、習慣)
- 「色つき星取表」で気付いたこと
- 炎上を起こさないためのネットコミュニケーション
- 次回予告
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