結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年7月28日 Vol.435
目次
- 数学科に行きたいが高校で物理を履修しなかった - 学ぶときの心がけ
- クリエイタが作品を有料で売ることについて - 文章を書く心がけ
- 体系的に理解するとはどういうことか - 学ぶときの心がけ
- 後輩にうまくアドバイスできないとき、どうしたらいいか
- 難読化 - 再発見の発想法
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
健康と違和感の話。
あくまで私の感覚に過ぎない話で、医学的な根拠があるわけではないのですが……
自分が健康なとき、違和感も健康なようです。
つまり、身体に良くないものに対して違和感を覚えることが多いという意味。
自分が不健康なとき、違和感も不健康。
つまり、身体に良いものに対して違和感を覚えることが多いという意味。
いつもそうだ、絶対そうだ、誰でもそうだ……のような一般化はできませんが、あくまで「そういうことが多いかな」と感じます。
これは個人についても組織についてもいえそうですが、どうでしょうね。不健康なときは、良いものを判断するセンサーもまたおかしくなっているということかしらん。良いときはますます良くなり、悪いときはますます悪くなる、みたいな。
もうちょっと具体的にいうと、ストレスがたまっているときや気に掛かっていることがあるときなどは、健康な食事よりもジャンクな食事を食べたくなるイメージがあります。
逆に、いろんな問題や課題がクリアになったときはジャンクな食事はそれほど食べたくならないような。
もしかすると、健康・不健康よりも、コントロールできる範囲の大きさが関係しているのかもしれません。ストレスがたまっていると「せめて食事くらいは好き勝手にしたい」みたいな気持ちになるとかね。
現在の結城が、何か違和感を感じているというわけではなく、過去を振り返ってみるとそういう傾向があるなと思ったので書きました。
あなたはどう思いますか。
* * *
インポート・エクスポートの話。
ブログのように、ユーザがデータを入力するサービスの場合には「インポート」と「エクスポート」が大事になります。
インポート(輸入)というのは、サービスに対してデータをまとめて入れることで、エクスポート(輸出)というのは、サービスからデータをまとめて取り出すことです。
たとえば一つのブログサービスAから別のブログサービスBに移るためには、Aからエクスポートして、Bにインポートすることになります。非常に単純化していえば、ですけれど。またTwitterには自分の過去ツイートをすべてダウンロードする機能があります。これはエクスポート機能になりますね。
インポート・エクスポートができないと、データがいわば「人質」になってしまい、サービスによって囲い込まれてしまうことになります。
ところでnoteには、まだインポート・エクスポート機能がありません。先日、そのことについての「リスク」を堀正岳さんが書いていました。まあ、これは事実としては正しいですね。
◆noteからコンテンツをエクスポートする方法がないというリスク
https://note.com/mehori/n/n476499f52eff
結城自身は「直接note上で文章を書くのではなく、ローカルに別途用意したテキストをnoteにアップロードし、note.comではなくmm.hyuki.netという独自ドメインで運用し、各記事のURLを記録しておく」という自衛策を取っています。その分、note.comというドメインからの恩恵は少なくなるわけですけれど。
結城が、noteを独自ドメインで使うようになったのは2017年のこと。結城メルマガをnoteで配信開始したタイミングですね。独自ドメインを扱うに至った当時の考えは以下のノートに書きました。
◆結城メルマガVol.283
https://link.hyuki.net/mm283
またこちらは、2000年ごろに書いた「独自ドメイン」についての備忘録です。20年前の備忘録(!)。
◆ドメイン取得にあたって
https://www.hyuki.com/netserv/domain.html
noteのCXOである深津貴之さんによれば、「計画中の次世代エディタ」ができれば、来年くらいにはインポートもエクスポートもできるらしいので、それに期待しましょう。
(引用)
noteはインポートもエクスポートもまだないんですよね。計画中の次世代エディタができると、そのタイミングあたりでつくはずです。1年以内想定ぐらいかと思われます。 https://twitter.com/fladdict/status/1259645364107280384
(引用終わり)
結城としては、適切なインポート機能が早く実現してほしいのと、数式表示に対応してほしいという願いを持っています。
noteの運営さんにはがんばってほしいですね。
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それではそろそろ、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
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