結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年5月19日 Vol.425
目次
- Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)
- 学びたいという気持ちだけで進学先を決めていいか - 学ぶときの心がけ
- あれもこれもやらなきゃと考えてしまう - 仕事の心がけ
- 三年連続で第一志望に不合格
- ベンチマーク - 再発見の発想法
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
抵抗を感じにくい表現の話。
結城にメールをくださる方の中に、いつも、
「AAAA」を読んで、私は「BBBB」と思いました。
というスタイルで文章を書く方がいます。結城がスタイルについて尋ねると、意識してそう書いているとのお返事でした。
いま書いた「AAAA」は、たとえば結城が書いた文章の一部分で、単語のように短いものもあれば、一段落のように長いものもあります。また「BBBB」は、その方の感想や解釈です。これもまた長さはさまざまです。
結城はこの方のスタイルに「なるほど」と思いました。なぜなら、抵抗なくスムーズに読めるなと思ったからです。
この方のスタイルでは「AAAA」を明記しています。ですから、自分の感想や解釈が何に対するものかがはっきりします。また「BBBB」が自分の思ったことだとも明記しています。たったそれだけのことで、ずいぶんスムーズに読めるものだと、私はおもしろく感じました。
おもしろさ、伝わりにくいですかね。たとえば、次の三つのスタイルで書かれた文を比較してみてください。
(1)「AAAA」を読んで、私は「BBBB」と思いました。
(2)「AAAA」はBBBBですね。
(3)BBBBですね。
このような文を「書く側の意識」としては(1)(2)(3)であまり変わらないのですけれど、「読む側の意識」としては(1)が最もスムーズに読めるんじゃないでしょうか。
もう少し具体的に書いてみましょうか。これはいま適当に作った例です。ある作品に対する感想だとしましょう。
(1)幼少期シーンを読んで、私は「主人公の描写が足りない」と思いました。
(2)幼少期シーンは主人公の描写が足りないですね。
(3)主人公の描写が足りないですね。
(1)に比べると(2)や(3)の方が、決めつけているというニュアンスが強くなるように感じます。
当たり前のことかもしれませんが、「抵抗を感じにくい表現」としてご紹介しました。
* * *
pixivFANBOXの話。
結城は、pixivFANBOXという「クリエイタ支援サイト」を利用しています。たくさんの方がpixivFANBOXを通じて結城を経済的に支えてくださっています。ありがとうございます。
結城浩のpixivFANBOXでは「結城浩のカフェ代支援」ということでひと月に200円、500円、1000円のプランのいずれかを選んでいただけます。支援金はカフェ代(最近はカフェに行けないので自宅でのコーヒー代)として使わせていただいています。感謝!
pixivFANBOXでご支援くださっている方への特典として「結城浩の作業ログ」が閲覧できるリンクを毎日提供しています。これは「結城浩のサークル」で提供されているものと同内容です。
◆結城浩のpixivFANBOX
https://hyuki.fanbox.cc/
◆結城浩のサークル
https://mm.hyuki.net/circle/
早いもので「結城浩の作業ログ」を配信してから三カ月が過ぎました。作業ログで結城はけっこういろんな記録を残しています。今回の結城メルマガではその一部をふくらませて読み物にしてみました。それが最初の「Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)」です。「結城浩のPDF」という小さなWebサイトを作ったときの話を書いていこうと思います。
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ということで、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
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