兵頭新児(著者) のコメント

兵頭新児 兵頭新児
(著者)

初めまして、コメントありがとうございます。
著書をお読みいただいたんですね。そちらも大変ありがとうございました。

さて今回のコメント、かなり痛いところを突かれたというか、ぼくの中であまりまとまりのつかないままに書いていた部分を、見事に指摘されてしまいました。
おっしゃるように万世橋君、山田君はデブとして描かれ、「記号的萌え絵」からかなり浮いた、言ってよければフリーキーなキャラとして描かれています。
腐川はかなり「ブス」的記号をまとっていますが、それでも何とかそれを「萌え絵」に落とし込んでいる感じです(ただし臭いと言われるほど不潔にしているなど、やはりかなり例外的なキャラではあります)。
一方、藤吉さんは美人で、腐女子に受け容れられるのもわかりますね。
が、この美醜という一点だけで両者を比較するのはどうでしょう。
山田君についての、ファンの評価は「人当たりがいい」です(記事に書いた通り、その評価が正しいかどうかはちょっと微妙だと思いますが)。ば若いと想像できるファンたちが殊更そこを持ち上げていることが、ぼくからするとちょっと違和感があるのですが、学園で他のキャラたちと仲よくしている山田君の姿は、やはりファンたちにとっては癒されるものなのではないでしょうか。
つまり女性が「美」という点を重視するのに対し、男性はやはり「社会的位置」を気にかけるというジェンダー差がここには現れているわけで、両者を同じ「美」という基準で比較すべきではないのではと、ぼくは思います。
(おっしゃる「美形オタク」というのがファンにどう受け取られているかはぼくにもよくわかりません。『げんしけん』とか『乃木坂春香』とかに出てきたと思うのですが、人気があるのかそうでもないのか。完全に想像ですが「美少年オタク」という時点でちょっとアンリアルで感情移入がしにくいのではないか……)

>「揶揄」「自虐」を「冷静な」と言い換えるのは、論理の飛躍なのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。
考えれば「一般人に立て板に水でオタク話をする」などは「正しい」かとなると疑問で、その意味で記事中で繰り返した通り「揶揄気味に描かれる、通り一遍なオタク象」そのものとも言えます。
万世橋君の描写もまあ、考えようによっては冷笑的ではあります。
これも余談めきますが、一方で腐川の第二人格である「ジェノサイダー翔」の言動は「貴腐人」にありがちな、「自称さばさばした女傑」的です。一口には説明しにくいのですが、「いい女ぶっているバカ女」をリアルに活写していて、見ていてニヤリとさせられるのですす。その意味でやはり本作の作風はかなりシニカルであるとは言えます。
しかし、以上のようにかなり辛辣なことを書いているわりに、ぼくは腐川さん(ジェノサイダー)が大好きなキャラであり、その意味でやはり、腐川さんも山田君も「殊更称揚はされてはいないが愛すべきキャラとして描かれている」と感じるのですね。
(これも余談ですが、腐川さんは美形キャラにつきまとってはウザがられているキャラなのですが、女性ファンたちはこれを「何だかんだいって二人はいいムード」と解釈しがちに思え、山田君のケースと似ています)
要するにもっぱらそうしたキャラ造形とファンの温度差こそが、ぼくの指摘したかった点だったのです。

さて、記事の後半ではそうした若いオタクたちの感覚と、「男性差別クラスタ」の感覚が、パラレルに語られます。
この辺りがむしろ、不用意と言えば不用意だったかと思います。
ぼくは若いオタクたちを、「男性差別クラスタ」と同様だから、けしからぬ、と言っているわけではありません(いや、言うつもりはなかったが、結果的にそう取れる書き方をしてしまいました)。
一方で「男性差別クラスタ」もその全てを否定するつもりはありません。
ドクさべのおかげで「男性差別」というフレーズそのものに虫酸が走るようになっていますが、別に「女性専用車両」に賛成なわけではないですし、やり方が適正なら、デモなども文句まではつけません。
両者に共通するのは、言ってみれば「屈託のなさ」「ピュアネスさ」です。
それ自体は、別に悪いことではない。
しかし一歩間違えれば、オタクの中の屈託のない層も彼らと同じ過ちを犯すのではないか。
例えばですがネット時代になると、「テレビでオタク的な物事をバカにしたタレントのブログが炎上」なんてことが度々起きますよね。
「バカにする方も悪い」とも言え、また「適切な苦情」であればブログに書き込むのも悪いとは言えない。しかしどうしてもこういう場合、被害者意識の暴走が起きて、そしてそれは第三者の眉を顰めさせることにしかならない。
つまり、ぼくが言おうとしたことはそのようなレベルのことなのです。

ところでひら様は他の記事にもコメントを書いてくださったのでしょうか。
「コメントが二件あります」とのメッセージが出たのですが、このブログはどの記事にコメントがついたかは表示されず、もう一方がどこに書かれているのかわからないのです。

No.3 134ヶ月前

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兵頭新児の女災対策的随想

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