兵頭新児(著者) のコメント

兵頭新児 兵頭新児
(著者)

どうも、お久し振りです。
なるほど、考えるとおっしゃる通り、渡辺教授と本田さんの「消され」方はそっくりです。渡辺教授も「あの本出してからやいのやいの言われて……」とぼやいてましたし。
また、渡辺教授の本が出たのは86年。ある意味では80年代のフェミバブルに先んじていたともいえるかも知れません(当然、70年代にもフェミブームはあったので、この辺はイメージで書いてますが)。
米国で書かれた『正しいオトコのやり方』にも「俺はフェミブーム以前のベトナム戦争の時代に男性解放を唱えていたのに!!」という人物が登場してきて印象的でしたが、それとイメージが重なります。

ただ、渡辺教授については本田さんに比べれば多少扱いがマシという感はあります。
千田師匠が完全に抹殺しなかったのもそれで、要は「かなり早い時期にオカマを研究したセクシャルマイノリティの理解者」といった理解のされ方をされることが多いわけです。
彼の論旨は「オカマが増えている、これは男性の大変さを苦痛に感じる者が増えているからだ」というものだったのですが、これを「オカマのような男性性を脱ぎ捨てて女性軍に投降した者だけは許してやる」と読み替えることは容易であり、そうした文脈に持って行かれることが多いわけですね。
またぼくも「みんながみんな、オカマになったら男の大変さを背負うのは誰なの?」という疑問もあり、渡辺教授を全面的に支持することはできませんが。

中国のデモはある意味、「日本というわかりやすい敵を用意してもらってみんなで盛り上がっている」状況ですが、男性差別クラスタのデモはうまく行きませんね。
「女全体」を敵と考えるよりはまだ「フェミニスト」を仮想敵にする方がいいと思うんですが。
それと結局、デモンストレーションという言葉が示す通り、「公開し、見せる」というやり方がこの問題に徹底的にそぐわないと思うんです。
確か「女性専用車両乗り込み運動」をやっている人が様子をYOUTUBEにアップして、「善良でか弱い男性が、ヒステリックでファットな中年婦人に怒鳴りつけられ、おどおど」といったイラストを添えていたことがあったと思います。
しかしそうした彼らの「自己イメージ」と「中年のオッサンが女性たちの中に割り込んで暴れている」という実情とは非情なまでの差がある。そのグロテスクさに気づけない人しか、あの運動には同意できないでしょう。

No.6 138ヶ月前

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兵頭新児の女災対策的随想

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