確かに「オタク善導」をしたがる論者は、とかく自分がヒエラルキー上位であることにこだわっているように見えます。 最近だと海燕氏の「仮面オタク」論などその典型ですよね。 それだけ上下関係に敏感である人たちが、女性オタクや腐女子に関しては決して批判しない、ということから、本当に力を持っているのは誰なのか、が読み取れる気がします。 嫌オタク流という本は出せても、嫌腐女子流なんて本が出せるとはまず考えられませんし。 「オタは趣味が充実してるから幸せだ、不幸な振りをしているだけだろ」という主張にしても、「男は社会的強者なんだから痴漢冤罪など気にするな」と相似形に見えます。 「俺妹」を肯定しているこのレビューにしても、登場人物が全員女性なんですよね。 不登校をしているのが少女なら、彼女を肯定するのも母親です。 創作だとすれば、何重にも政治的配慮を効かせた文章であると思います。 男性を登場させると、またぞろ意識の高い人たちがやって来て、萌えオタが自分を投影させているとか言われかねませんから。 「俺妹は萌えオタを甘やかすからダメだ」に対抗するには、「いや女性読者も肯定されてるんですよ」と言うしかなかったんでしょうね。 このレビュー自体は読み物として面白かったので、創作だとしてもそれを非難する気はありません。 ただ、受け入れられやすくするにはここまで「文句の付けようのない弱者」を持ってこないといけないのか、と思うと、書いた人の心中も複雑なのではないかと思います。
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兵頭新児の女災対策的随想
(ID:745646)
確かに「オタク善導」をしたがる論者は、とかく自分がヒエラルキー上位であることにこだわっているように見えます。
最近だと海燕氏の「仮面オタク」論などその典型ですよね。
それだけ上下関係に敏感である人たちが、女性オタクや腐女子に関しては決して批判しない、ということから、本当に力を持っているのは誰なのか、が読み取れる気がします。
嫌オタク流という本は出せても、嫌腐女子流なんて本が出せるとはまず考えられませんし。
「オタは趣味が充実してるから幸せだ、不幸な振りをしているだけだろ」という主張にしても、「男は社会的強者なんだから痴漢冤罪など気にするな」と相似形に見えます。
「俺妹」を肯定しているこのレビューにしても、登場人物が全員女性なんですよね。
不登校をしているのが少女なら、彼女を肯定するのも母親です。
創作だとすれば、何重にも政治的配慮を効かせた文章であると思います。
男性を登場させると、またぞろ意識の高い人たちがやって来て、萌えオタが自分を投影させているとか言われかねませんから。
「俺妹は萌えオタを甘やかすからダメだ」に対抗するには、「いや女性読者も肯定されてるんですよ」と言うしかなかったんでしょうね。
このレビュー自体は読み物として面白かったので、創作だとしてもそれを非難する気はありません。
ただ、受け入れられやすくするにはここまで「文句の付けようのない弱者」を持ってこないといけないのか、と思うと、書いた人の心中も複雑なのではないかと思います。