兵頭新児の女災対策的随想

「許せない」がやめられない坂爪真吾

2020/07/24 19:24 投稿

コメント:2

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【お詫びと訂正のお知らせ】

弊社刊の坂爪真吾著『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』の目次において大幅な誤りがございましたので、訂正させていただくとともに深くお詫び申し上げます。

誤)
第一章 女が許せない
第二章 男が許せない
第三章 LGBTが許せない
第四章 性表現(規制)が許せない
第五章 「ジェンダー依存」がやめられない

正)
第一章 ミソジニストが許せない
第二章 ツイフェミが許せない
第三章 ツイクィアが許せない
第四章 エロ規制が許せない
第五章 「弱者憎悪」がやめられない

今後このような誤りを冒さないよう、またこのような著作を刊行しないよう、真摯に取り組んでまいります。

徳間書房


 ――と、あからさまななりすましからスタートしました本稿。
 本書については既に動画の方で第一章の解説をしていますが、ブログ記事としても多少、細かく突っ込んでいきたいと思います。
 本書はせっかく描いた自分たちの世界観が間違っていたことが露わになり、自分たちが作った利権を得るルートが断たれてしまうことに怯えた左派が、自分たちを脅かす弱者を何とか抹殺せんと腐心する、仲間たちへの作戦指令書、という意味あいを持っていました。
 というわけで、上の「真のタイトル」毎に、本書のレビューをしていきましょう。
 ただ、その前に、もし動画の方を未視聴の方がいらっしゃいましたら、まずはそちらの方からご覧になっていただきたいのですが……。




・第一章 ミソジニストが許せない

「ミソジニー」が何の中身もない空疎な罵倒句に過ぎないのに加え、坂爪師匠はその「ミソジニスト」とやらの主張に一切反論すること敵わず(というか、賢くも反論が不可能であると理解して)、ただレッテルを貼って切り捨てるのみ……という本章のありさまは、既に動画でも述べました。
 師匠は「ミソジニストたちはただ、ヒステリックに女性を罵っているだけだ」ということにしたいようなのですが、そのような「アンチフェミ」というのはあまり思い至れず、フェミ側の口汚さと比肩するべくもない。
「ミソジニスト」の論調は「女には穴があり、自分の身体を資産に食っていけて得だ、ずるい」という論調が多いというのが坂爪師匠の言い分だけれども(21p・大意)、ぼく自身はそうした声はあまり多いとも思えない。
 これは師匠に限らず、ミソジニスト批判の定番の物言いであり、「敵はこんなことを言っているぞ」と主張する場面でばかり見る論調であること、「女を宛がえ論」と同じではないかという気がします*1
 また、既に動画で述べたことですが、坂爪師匠は「ミソジニスト」の主張をそれなりに的確にまとめています。そしてそこだけを見ると「ミソジニスト」の言い分が正しいように思えるにもかかわらず、

 彼らの主張を、統計的・学問的な事実を提示して否定することは、きわめて容易である。
(19p)

 こうしたミソジニストたちによる主張を、統計的・学問的事実を基に論破することはきわめて容易である。
(26p)


 と豪語している、そして豪語しているにもかかわらず、そうした「統計的・学問的事実」を一切、提示することがないという、全くもって理解に苦しむデタラメぶりです*2。この点についてはさすがに呆れ、ツイでリプを送って指摘したのですが、言うまでもなく無視されました。
 他に、論拠らしきものを示した箇所はもう一つあるのですが、これがまた、極めて奇怪なもの。師匠は(ミソジニストたちはフェミのダブルスタンダードを批判するが、ダブルスタンダード批判などに意味はない、と一蹴した次の行で、自分の書いていたことなどすっかり忘れて)、「彼らの一番のダブルスタンダードは、自分の母親を批判しないことだ(55p・大意)」などと泣きわめくのです。
 意味わかります?
「そんなに女が嫌いならお前のかーちゃんの悪口も言え」と幼稚園児のようなことを言ってガッツポーズを取っているわけなのですが、世代的に古い、子供まで育てている、つまりはそこまで女性ジェンダーに対しての屈折があるとも思えない女性が、批判の対象にならないのは当たり前なのではないでしょうか。
 本当に「ミソジニスト」とやらが母親を批判することが少ないのかどうか、判断しかねますが(いや、確かにそうした場面はあまり見ませんが)、もう一つ理由として考えられるのは、男性は基本、私ごとを饒舌に語る傾向にないという点でしょう(これと同主旨のことをぼくが著作で述べていることは、本書でも紹介されているのですが)。
 実はふたばちゃんねるだかどこだかのこの種のスレ(アンチフェミスレか、女流漫画家批判スレか……)において、女性と思しき人物が近しいことを言っていて首を捻ったことがあります。「女に文句言うわりに、おまいら、カーチャンが大好きだよな」と。
 いわゆるネットキャラとしての「カーチャンJ( 'ー`)し」に人気が集まっていることを、例外のないネット男性の総意だと考えているのか、それとも、或いは今回の坂爪師匠の言とあわせて考えるに、フェミニスト界隈にだけ、何かの加減で、こうした「ミソジニスト」像ができ上っているのか……。

*1 この問題については以下の冒頭にまとめられています。
男性問題から見る現代日本社会
*2 厳密には第一章の一番最初のページに以下のようにあります。

男女間の収入格差、家庭内における女性の家事・育児負担率の高さ、管理職・国会議員の女性比率の低さなどを見ても、現代の日本社会が男性優位社会であることは、火を見るより明らかだ。
(18p)

 しかし師匠は「ミソジニスト」が、女性は社会に出ること、主婦に収まることの二種の選択が用意され、またそもそも男性は社会で働くことが期待されると同時に、その生命や健康が著しく軽んじられていることを指摘している点にも、言及しています。
 つまり、師匠は自分のロジックを論破する主張を紹介しつつ、自分自身でそれに気づけにいるのです。

 もう一つ、驚き呆れたのは、共同親権推進派にも同じく「ミソジニスト」のレッテルを貼り、切り捨てていることです(45p~)。
 妻が子供を連れてフェミニストの息のかかったシェルターへと逃げ、そのままDV冤罪を着せられ全てを失った父親というのは決して少なくなく、実のところ「女災」の中でも一番にラディカルなものといっていい。これはぼくが著作で「予言」した「幼児虐待冤罪」に近く、師匠自身もぼくの本の紹介という形で言及しているのですが、しかし、これに文句を言うのは許されざるミソジニストの振る舞いである、というのが師匠のお考えであるらしい。

 推進派にも反対派にも、意見の異なる相手に対する人格攻撃や誹謗中傷を繰り返している悪質なアカウントが散見されるが、なかでも「離婚ビジネスを営む悪徳弁護士と裁判所が子ども拉致」などといった極端な主張を掲げる推進派の意見には、これまで分析してきたミソジニストの主張と重なるものが非常に多い。
(47p)


 極端な主張も何も、単なる事実だと思いますが。師匠が「これまで分析してきた」ミソジニストとやらの意見がどう見ても理があり、師匠がそれに何ら反論できていないように。
 しかし、配偶者に裏切られ、最愛の子供をも失った父親すらもここまで平然と罵倒できるメンタリティは一体、どうなっているのでしょう。
 それに、このページのちょっと前では「ミソジニストどもは女とつきあったことがないヤツがほとんどだ(33p・大意)」と嬉し気に絶叫していたのですが、まあ、本書の矛盾をいちいち採り挙げていたら、この地球が太陽に飲み込まれてしまいます

 本書にはいろいろな専門用語が多々登場し、それらに対しての説明は一切ない(恣意的に貼られるレッテルとしてのみ機能している)のですが、これはレッテルのみならず、好意的に扱われる概念にも当てはまります。
「マスキュリスト」、「メンズリブ」、「男性学」。
 これらワードは本書では好意的に捉えられているようなのですが、まともな定義がなく、「何とはなしに」使われ続けます(いえ、ご当人は明確に使い分けている様子なのに、その説明がないので、読んでいて混乱します)。
 が、敢えて分類するならば「メンズリブ」は90年代初期に興った、伊藤公雄師匠の流れ。「皆さん、フェミニズムに平身低頭し、男に生まれた罪を一生かかって懺悔し続けましょう」というのがその教義です。「男性学」はそれらを根拠づける理念、ガクモンとしてのそれという感じでしょうか(日本で「男性学」を興したのは渡辺恒夫ですが、後から出てきた伊藤師匠が乗っ取り、自分が一番乗りであるかのように振る舞っていることは、繰り返し述べていますね*3)
「マスキュリズム」は近年に興った、日本では久米泰介師匠がリーダーシップを執る、フェミニズムに敵対的ではあるがジェンダーフリーには親和的な一派、という感じでしょうか。
(久米師匠が共同親権推進派であることを考えると、ミソジニストではないとするのはこれまた奇妙なのですが、本書の矛盾をいちいち気にしていたら、この宇宙の歴史が終わってしまいます
 坂爪師匠は「男性内部での差異を無視した上で、「立場は違っても男はみんな生きづらいのだ」という側面を誇張してアンチフェミニズムへと走る(56p)」者がミソジニストやインセルだという奇怪な定義をしており、これを信ずるなら、マスキュリズムは「男性内部の差異」を無視しない者たち、要するに「強者男性」を「ラスボス」にする思想、ということになりそうです。
 赤木智弘師匠など、近年の「フェミ回帰組」に見られがちな、「でも一番の悪者、ラスボスは男なんだ、ママごめんなさい」理論です。
 となると(実態がどうかは置くとしても坂爪師匠の中では)結局、マスキュリズムもまた「フェミニズムに平身低頭する思想」でしかないのでしょう。

*3 例えば、以下を参照。
夏休み男性学祭り(その1:『男性学入門』)


 本書ではぼくの著作も、それなりに的確なまとめがなされています。
 もちろん、だからといって肯定的に扱われているわけではなく、ここでも「批判」はせずただ「否定」するという手法が使われています。動画にもあるように坂爪師匠はぼくの著作を(何ら根拠なく)「ミソジニストのバイブル」としているのですが、こうレッテル貼りした時点で、師匠的には自分の大勝利なのでしょう。
 ただ、ちょっと奇妙なのは、ぼくの「メンズリブ批判」を拾っていること。
 これはメンズリブが「男が主体として、一人称で語る運動たり得なかった」というもので、師匠はこの部分を肯定も否定もしていないものの、(この人の文章は曖昧模糊としていて、本人の意図を読み取ることが極めて困難です)メンズリブ自体が「外れ」だったとは感じているようで、そこに共感を示したのかもしれません。
 もっとも、目下のツイッターにおけるアンチフェミの言動はそうした「男性が一人称性を取り戻したことそのもの」であり、師匠はそれを全否定しているのですから、内容までも正確に理解したというよりは、「自分でもよくわからぬままに何とはなしに採り挙げてみた」といった辺りが、実情である気がしますが……。

 ――さて、というわけで今回はここまで。
 次回また続きについて述べますので、どうぞご覧ください。
 先にも書いたように、本書はこれからフェミ側の「アリバイ」として機能する本のはずですから……。


【お詫びと訂正のお知らせ】

当ブログのタイトル誤りがございましたので、訂正させていただくとともに深くお詫び申し上げます。

誤)
『許せないがやめられない坂爪真吾』

正)
坂爪真吾『許せないがやめられない』

の過ちでした。著者名を入れる順序やカッコの位置が間違っていたがため、「本当に許せないがやめられずにいるのは坂爪を初めとする左派だ」との、本書への的確な批評を含んだタイトルのように見えてしまったことについて、深くお詫び申し上げます。


コメント

顔面核爆弾
No.2 (2020/07/28 21:35)
どうも、お久しぶりです(╹◡╹)♡
戦後最大の国難と言われるコロナ騒動の真っ只中でも、相変わらずのフェミ様の通常運転ぶりには呆れを通り越して、もう完全に無関心気味になってきております。
フェミ様に言わせれば、男性支配社会によって生み出された未知の殺人ビールスに女性が理不尽に苦しめられ、殺されているらしいのですが、死亡率は圧倒的に男性の方が高いという現実は見事なまでにスルーされる模様www

坂爪さんも田中俊之さんと同様に女性が被害を受けた場合のみ(ついでに加害をした場合も)、聖なる弱者として扱うのに対し、男性の場合は被害者であっても抑圧者として悪者扱いする点には一貫したミサンドリーの発露を感じますね。


>男女間の収入格差、家庭内における女性の家事・育児負担率の高さ、管理職・国会議員の女性比率の低さなどを見ても、現代の日本社会が男性優位社会であることは、火を見るより明らかだ。


日本の家庭にお... 全文表示
兵頭新児 (著者)
No.3 (2020/07/30 23:20)
お久し振りです!
コロナといえば、海外でもフェミがコロナ下でヘンなデモをやって感染を広げてましたなあ。

>日本の家庭において資産や消費の管理権を持っているのは女性なので、収入のみで男女の格差を語ることは出来ないと散々言われ尽くしてるんですけどね……。

そうそう、欧米でも、「財布を握っているのが男でも、同時にリスクを負って仕事をするのも男であり、やはり男が損だ」というのがアンチフェミなり、マスキュリストなりの言い分です。
しかし日本では、夫に経済的決定権すらない。
それを無視し続けることのできるフェミは、根本から人間として大切なものが欠落しています。

>女がママになることを否定した社会で私や兵頭さんはパパになることを拒否しました。こうして我が国はコロナとフェミのダブルパンチによって滅亡していくのであった。

まあ、現状ではそんな感じですね。
最近言うように、このところ「アンチフェミ」が「表現の自由クラスタ」の手から離れつつあるように思え、ぼくはそこにわずかながら希望を見ていますが。
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