顔面核爆弾 のコメント

コメント欄が賑わっているようなので僭越ながら今回2度目のコメントをさせていただきます。
ちなみに誤解を受けないようあらかじめことわっておきますが、私は女性が社会で働くことそのものを全否定するような保守反動オヤジ(ネトウヨなど)では決してありません。むしろ、多くの女性が幸せな人生を送れることを心の底から願ってやまない真の『フェミニスト』なのです。
上記のフェミニズム支持者と思われる方のコメント欄を見ていると、条件反射的にフェミニズム擁護(無論、その擁護自体を全否定はしません)をしようとしたためか、兵頭さんの記事を恣意的に拡大解釈することで見当はずれな牽強付会の説を唱えていらっしゃる方が多く、建設的な主張とは到底思えない明らかなヘイトを書き残していく方もいらっしゃったりと大変残念でなりません(おそらく兵頭さんの記事をまともに読んでいないのでしょう)。

上記のコメント欄で私が気になったものを引用しつつ、私見を申し上げたいと思います。

>相手が納得すれば専業主夫なればいいじゃない。実際、2005年から2010年の間では2.6倍増加していて、「女性が稼ぎ、男性は家事」の流れはでき始めている。

この方が仰っていることは決してウソではなく、専業主夫が増加していることは事実でしょうし、そういった風潮が出来上がってきたこと自体は私も大変素晴らしいと思います。
ですが、今回の兵頭さんの記事では専業主夫にすらなれる見込みのない男性(男性の中でも弱い立場に置かれている男性)について嘆いていらっしゃるわけです。
確かに現在は働く母親が多く、待機児童が山ほどいるのだから保育施設を増やしましょうというフェミニストの主張自体は大変理解出来ますし、最初のコメント欄で私が申し上げたように『仕事と子育てを両立しなければいけない』という現状の社会が女性を抑圧している側面は確かに存在しており、フェミニストの主張も一概には否定できないものであることは十分承知しております。
ですが、これだけは絶対に言わなければならないことがひとつだけあるので僭越ながら申し上げます。

ずばり言って、保育園を増やしても子供の数は増えません。

実は認可保育園の数は一貫して増え続けております(ソース:厚生労働省 保育所関連状況取りまとめ)。
厚生労働省によると、平成18年から平成25年の7年間で、事業所数は22,699箇所から24,038箇所まで増大しています。利用児童数においては2,004,238人から2,219,518人と、なんと10%以上も上昇しています。統計データを見ると、保育園は増えているし、利用している人の数も増え続けています。「日本死ね」と言われる前から官僚の人たちは地道に努力されていたんですね。
では、その結果、少子化にストップはかかったでしょうか?
日本の合計特殊出生率と出生率のグラフは特段動きはなく、保育園数の増加という事実と出生数は全くリンクしておりません(ソース:平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況 )。
つまり保育園は増えているにも関わらず少子化は改善されないどころか、悪化の一途をたどっているわけですね。
皆さんは『完結出生児数』というのをご存知でしょうか?
完結出生児数とは、夫婦一組あたりが生涯にどれほどの子供を産むかという数字です。78年前の調査開始時から2005年までの調査では、少子化が深刻化した70年代以降あまり変化はありません(ソース:国立社会保障・人口問題研究所)。
完結出生児数は変化していないのに、出生数はとんでもない勢いで減少し続けている点から導き出せる答えは、夫婦一組あたりの子供の養育数は、少子化の根本的な原因とは言い難いということです。
要するに保育園を無尽蔵に作ったとしても、全ての夫婦が子供を作ったとしても、少子化問題は解決しません。なぜなら少子化の根本的な原因は完結出生児数(夫婦がどのくらい子供を作るか)にはない、子供の養育環境にはないからです。
私がフェミニズムによる子育て支援政策ならびに少子化対策に懐疑的な理由は、ここにあります。
現状のフェミニストは明らかに少子化に寄与しないであろう政策を自らのエゴイズム正当化のための方便として利用しているように思える点が私の不信感を強めているわけですね。
保育園数増加の財源をどこから持ってくるかを考えれば、逆進性が発生するのは火を見るよりも明らかです。
ゆえに私や兵頭さんは現状のフェミニズム政策には同意できないと主張しているだけで、決して「全てのモテない男に女を宛がえ」などという恋愛共産主義的な意見(ぱんなさん的な主張)に対してはむしろ批判的ですらあるわけです。
私は今後の男女のあり方や日本社会を立て直すための明確なビジョンを提示できるわけではありませんが、少なくとも現在のフェミニズムは男女ともに不幸に陥れる産物であるということだけはご理解いただけると幸いです。
最後に今回の私の主張を箇条書きにして分かりやすくまとめておきますね。
【まとめ】
・保育園は増え続けている。
・保育園は増え続けているけど子供は増えていない。
・夫婦1組あたりの子供の数は減少していない。
・つまり保育・養育環境は少子化問題とは関係がない。
・結論:保育園を増やしても子供は増えないだけではなく、結果的には経済的理由で子供が持てない人々から経済的リソースを奪い、子供を持てる余裕のある世帯に分配するという逆進的構造が出現し、格差が拡大する。

No.16 78ヶ月前

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兵頭新児の女災対策的随想

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