Yutoroidさん>

初めまして。
……でしょうか？　以前、お話ししたことがありましたっけ？
おっしゃることは興味深く思えるのですが、今一意味が理解しにくいので（誰を「リベラル」と称しているのかもわからない）、もう少し詳しくおっしゃってください。

>世の中というのは理屈ではなく気分で決まるのでそれほど問題があるようには…。

いえ、世の中のコンセンサスが気分で醸成されることと、世の中に働きかける側が何も考えていないこととは全く別です。
恐らくあなたは、ぼくの主張を誤読なさっているのではないでしょうか。
というのは、ぼくが彼らを否定するのは、ぼくの立脚点があなたと同じものだからなのではないか、と想像できるからです。

ぼくが彼らを否定するのは、彼らがあまりにも楽観主義的だからです。
「男性差別」に気づいちゃった、「差別」は悪である、悪である以上、それを声高に指弾したボクは英雄になれる。
言ってみれば彼らはエンタ芸人なんです。
思いついちゃったあるあるネタを咀嚼せずにそのまま口にしてしまうので、見ている側は微笑ましさに失笑を漏らしてしまう。

ぼくは度々、彼らのスタンスを「素朴なジェンダーフリー論者」と形容してきました。
上の楽観主義を演繹していけば結局、「男女の性差さえなくせばサベツのない理想社会が訪れる」という安易なジェンダーフリー論に到達するしかないからです。
しかしぼくはそうした「素朴なジェンダーフリー論」について、一貫して否定的でした。
そこが、恐らくあなたと立脚点を同じくしているのではないか……と考える理由です。

が、しかし同時に彼らのスタート地点は、別に間違いではない。
ツイッター上でそんな一人が、「女性差別は人権問題、男性差別は『本能だから仕方ない』で済ますのが女どものやり方だ」みたいなことをおっしゃっていました（正確にはそうしたタイトルの２ちゃんのスレか何かの紹介だったでしょうか）。
これはなかなか鋭く本質を突いている。
あなたの女災に対する「仕方ない」というスタンスを、例えば「レイプを、痴漢を撲滅できないのは仕方ない」と同じ文脈の仕方のなさとするのならば、ぼくも大いに賛成です。
しかしその「仕方のなさ」と「でも性犯罪を減らしていこう」と努力することとは、何ら矛盾しません。
現状は女性たちが内省をすることが一切なく、「女災」を「本能だから」と免罪している、というものであり、「女災」を「撲滅」できないまでも、少しは減らしていこう、というのがぼくのスタンスです。
そこで想定しているのは、あなたが批判するような政治的物理的な革命ではなく、要は人の意識をちょっとでも変えていこう、というような程度のことです。むろんそれすら大変に難しいことですけどね。

「べき」論がいかんとする理由と、フェミ史を語って欲しいというご要望はどういうことでしょうか。
そもそもぼくに科学的知識などないし、フェミ史を語るのにそれが必要とも思えません。
また、アカデミズムと競わねばならないとおっしゃいますが、ぼくはアカデミックなバックボーンもないし、在野のライターとしてやっていくしかないと思っております。
ぶっちゃけ本田透氏の「消え」方を見るに結構絶望的になってはいるのですが、そうした方法論について何かご意見があるのでしたら、是非ご意見ください。

後、ホームレスの男女比をちょっとお調べになってみてください。
それを「私は女性のホームレスを見たことがある」とのワンワードで否定するスタンス、比率を統計データから持ち出すスタンス。
ぼくは後者でありたいと考えています。