●急性アルコール中毒で死亡したホストの両親が店の安全配慮不足を理由として提訴したというニュースがありました。
これは客が店を訴えたのではありません。ホストは客に高い酒を少しでも多く飲ませようとします。その結果、客が死亡したのではありません。訴えによると、客からおごられた酒を飲むことで売り上げも伸びるために大量の酒を飲んだことが死亡の原因だとしています。そのように仕向けた店に責任があるというのです。
ホストは言ってみれば酒を飲むことが仕事なわけです。今回もまあ労災にしろというのならわかるような気もしますが、そうではないようです。これからは客も店もホストが酒を飲んで倒れられたらやっかいですから、気をつけなければいけません。「さあ、一杯いこう、あっ、ちょっと待って。君は酔っ払ってないよね」なんとも盛り上がらない酒席です。
ところで、最近は何かをされたから訴えるのでなく、してもらえなかったから訴えるというケースが増えています。ラーメンを食べてやけどをしたのは、熱いから気をつけるように言ってくれなかったのが悪い、などです。「そんなこといちいち言わなくてもわかるだろう」は、もう通用しないようです。