春から配信してきた『日本国紀』ですが、ついに来週の12日に発売となります。

皆さんに配信してきたのは、私の第一稿です。実際に、本になるのは、その原稿をもとに、何度も書き直したものです。

校閲の手が入り、誤字脱字を修正し、また年号や人名のミスも直しています。さらに歴史的解釈についても、入念に調べなおしています。

そして文章については、何度も書き直し、彫琢を重ねました。

極端に言えば、第一稿とはまるで違う文章になっています(笑)。

しかし奇妙な言い訳になりますが、小説家の第一稿を読めるのは貴重です(笑)。そしてそれを完成した本と比べて見るなんてことは、滅多にできません。

今回は、「大正から昭和」へ入る章です。

いよいよ日本の悲劇が迫ってきます。

 

 

 

 

 

   第十章 大正から昭和へ

 

 

 

 

 

明治の終わりとともに、世界は二十世紀を迎えた。二十世紀こそ、まさしく激動の世紀と呼ぶにふさわしい時代である。