今年から、「百田尚樹の日本史」を連載でお届けしています。
読めば誰でも日本が好きになる、日本に生まれたことを感謝する、そして日本人であることを誇りに思う――そんな「日本史」を書きたいと思います。
今回は、いよいよ維新の時代です。
日本史上、最も劇的で、英雄たちが大挙して登場した時代です。
百田尚樹の日本史 33
【コラム】 ペリー来航の後、アメリカを皮切りに日本が列強と次々に条約を結ぶ中、一八五五年ロシアとも日露和親条約を締結したことは前述した。ただ、この条約には今日の日露関係にも大きな影響を及ぼす重大な内容が含まれていた。北方四島の帰属である。
条約締結への道のりにはある美談が残されている。遅れ馳せながら日本との通商をと、ロシアの提督プチャーチンが伊豆の下田に現れた折、安政の大地震が起きた。下田の街は津波で壊滅状態となり、ロシアの黒船も壊れた。この時、共に被災した伊豆
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