leclerc のコメント

デフレ下で労働供給に対し労働需要が不足気味な状態が長く続いたこと、それによってブラック経営が淘汰され難くなったこと、これが主たる原因思います。供給と需要の関係が逆転すれば、少なくとも低賃金でコキ使う会社は淘汰されやすくはなるでしょう。もちろんゼロにはなりません、景気が良い時でも今日で言うブラック企業はありましたから。ただ、需要と供給の極端なアンバランスは歪みが生じやすい、特に立場が弱くなりやすい方は…というのはあります。
また企業は労働者を損切りできますが、社会として国民を損切りすることはできません。厳密に言えば不可能ではありませんが、それが行われたのが18世紀のイギリスや現代の中国。個々の企業の経営判断と、社会における考えが混同されていると思います。

あと例えもちょっと分かり難いし、その性質を的確に捉えていないと思いました。
船の話ですが、コンテナの規格化と船の高速化・省エネ化を「船会社」で一括りにはできません。船会社が海運会社なのか、造船会社なのか判然としませんが。コンテナの規格化は1960年代にISOが国際規格を定めたこと、船の省エネ化等は直接的には造船の仕事。そして現代に至るまで、どちらの要素も海運の活性化に役立っています。規格と個別技術の発展によって、海運を取り巻く環境が改善したと。個別的な改善と全体に関わる規格の両方の改善によって、船の利点を最大化することができた、ミクロとマクロのシナジー効果ですね。
これをブラック企業問題に応用すると、海運そのものと対比できるのが労働者、コンテナ規格が労働法制や経済情勢にあたるでしょうか。個々の労働者はいつでも努力しないといけませんが、それが上手く発揮される為には、経済活性化と労働法制という周辺及び土台整備が必要になります。

マタハラや介護報酬の問題を「多くの日本人が人口を減らしたいと考えている」と結論付けるのは、根拠が薄いというか無いですね。そこに統一した意思を見る理由が分かりません。

日本のデフレ下における弊害の一つは、マクロの視点を欠き、ミクロの努力に全ての原因と責任を求める風潮。岩崎さんのこの主張にも、そのようなものを感じました。

No.107 116ヶ月前

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