私の立場からいうと、「"オシャレ"は自分のためにするもの、"身だしなみ"は他人のために整えるもの」という原則がある。身だしなみは決して自分本位なものではない。自分のためなら、楽な格好をするのが一番だが、それでは相手に失礼なので、職場ではスーツなどの相手に不快感を与えない格好をする。
だから、社会人が周りの目を気にして身だしなみを整えるというのは、ファッション的にいえば、実に常識的なことなのである。
それゆえ、社会人として職場に相応しい格好をしているにもかかわらず、上司から外見について指摘をされたのなら、それはアドバイスなどではなく、むしろセクハラだと受け取るべきであり、非難こそすれ、迎合するようなものではない。それは、上司の趣味嗜好の押しつけであり、パワハラなのだ。そう考えているので、私は基本的にこのCMは大問題だと思っている。
興味深いのは、ネットで講釈を垂れる著名人の多くは、そういう社会通念に欠けている、ということだ。
岩崎夏海というのは、ここ数年、トレンドにさとい、いわゆる時代の寵児のように思われていた。しかし、それが今、様相を変えているのだ。岩崎夏海は今や、「時代遅れの非常識人」にまで落ちぶれたのである。
ルミネのCMが炎上したことからは、そうした状況が読み取れた。