都心の中古マンションが売りに出されるケースで、よくあるのが「元の所有者が亡くなったとき」である。
 例えば、そこに一人で住んでいた八〇歳のおばあさんが亡くなったとする。すると、それは遺産として遺族に受け継がれる。
 ところが、そこで遺族というのは、たいてい複数存在している。例えば、子供が三人いたとする。この場合、マンションはたいてい三人に均等に分売される。しかしながら、もちろんマンションそのものを三等分するわけにはいかないから、売却して、そのお金を分配するのである。

 その他にも、相続税を支払う必要があるとき、現金の持ち合わせがないと、所有している不動産を売却し、その売却益を税金に充てるケースが少なくない。このように、その不動産の元の所有者が亡くなったときというのは、売りに出されるケースが少なくないのだ。

 不動産を売りに出すというのは、売主にとってはドライに割り切れないケースが多々ある。例えば、