「物語原型」という考え方がある。
それは、古今東西の神話に驚くほど似たような構成やキャラクターが存在することを受けて、人間が興味を引かれる「物語」というものは、そもそもある一定のパターンがあるのではないか、という考えに端を発している。

だから、その物語原型を掴んで、それに沿った形で物語を展開すれば、多くの人に受け入れられるのではないか?――ハリウッドの脚本家の中には、そんな考えをもとに「物語の作り方のメソッド」について研究し、それを「物語の法則」という本にまとめた人がいたりする。この本はなかなかに面白いのでおすすめです。

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しかしながら、そういうメソッドに則って機械的に作ったからといって、物語が必ずしも面白くなるわけではない。そこには必ず、隠し味のようなものが必要なのである。
「隠し味」というのは、強烈な「イメージ」を喚起する触媒のようなものだ。イメージを喚起するというのは、あれこれ想像させられる―