1994:その31(1,643字)
ぼくは「文化」が好きだ。バブルの頃(学生の頃)もやっぱり文化が好きで、可能な限りそこに浸っていた。
特に当時のぼくは、人生の中で一番暇だった。お金はなかったが時間だけはあった。だから、それを活かして可能な限り文化に浸った。それゆえ、一般よりは深く文化にかかわったといえるだろう。
ぼくが大学生だったのは1987年から1991年である。すっぽりバブルの真っ只中なのだが、当時はもちろんバブルなどという言葉も知らないし(そもそもなかった)、大学生だから脂っこいところにいたわけでもない。その周縁を彷徨っていたに過ぎない。
しかし周縁を彷徨っていたからこそ見えていた景色というものもある。ぼくは1994年という年を知りたくてこの連載を書いているのだが、バブルというのはそこから5年ほど前のことである。「十年一昔」でいうなら「半昔」くらいのことだ。
「半昔」にあったことが1994年に与えた影響は大きいはずで
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面白くなってきた