これの究極の答えは「人類の存続に寄与する力」だろう。
「利己的な遺伝子」という考え方は、やはり強力な説得力がある。我々人間はDNAを運搬するリレー走者に過ぎない。だから、種を残すために個人が犠牲になっている。個人が死ぬのはそのためである。
人間個人は必ず死ぬ。それは、その方が種の存続に有利だからである。ところで、これまで死んだ人というのは累計で1080億人らしい。意外に少ない。昔は人口が少なかったから、累計も少ないのである。1万年で1080億で、そのうち今生きている人は、なんと6.5%にも登る。20世紀は、文字通り「人口爆発」の時代だった。
しかし人口が爆発しても変わらないのが「利己的な遺伝子」で、人類の存続に人口の多さが不都合となれば、やがては人口縮小へとベクトルを変える。人口縮小は「すでに起こった未来」である。そこで個人にどのような悲劇が訪れようとも、種全体が存続すればいい――それが人
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