劣化する人は傾向として「解剖」を軽視する。彼らの思想は「現れるのは表面だから、表面だけ整えておけば(モノマネしておけば)いいではないか」というものだ。

そのためモノマネ人間は、どうしてもオリジナリティがなくなる。オリジナリティのある人間は、解剖した結果として構造を理解する。その上で、表層には別のものを持ってくる。だから、構造は似ているが表層は違ったもの――が出てくる。これがオリジナリティの正体である。

また、構造を理解した結果、表層の違うものを持ってきても、一見似たようなものになることもある。しかし、実は表層は異なっている。ややこしいが、これは「似て非なるもの」という現象だ。

明石家さんまのモノマネでいうと、明石家さんまが言ったことは、モノマネ人間でも構造人間でも同じようにマネできる。しかし明石家さんまが言わないことは、モノマネ人間にはマネることができないが、構造人間にはマネができる。これ