石原莞爾と東條英機:その50(1,817字)
「国体」とは何か? それは「日本」という美しい国のことである。この我々が愛してやまない美しい日の本の国――自然ももちろん美しいが、何よりそこに住う人々が美しい。この日本の美しさこそが「国体」である。我々日本人の祖先が、古来より連綿と命懸けで守ってきたものだ。
この考えをナチュラルに持っている日本人は、今でも90パーセントはいるのではないか。今でも日本人の90パーセント以上が、この美しい国である日本を守り、伝えていきたいと、誰に教わったかは分からないが、ナチュラルに考えている。
今でさえそうなのだから、今から100年も前にそのことを疑えた人など1人もいない。この連載に出てくる人たちも、全員が全員(当時の日本人で最も頭のいい石原莞爾も含めて)、この「国体」という存在の価値を1ミリたりとも疑っていなかった。石原さえ疑えないものを、他の国民が疑えるはずもない。
ただ、その「信じ方」は人によってそれ
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