石原莞爾と東條英機:その42(1,952字)
「満州」は、中国大陸のうち朝鮮半島と接している東端の部分だ。そこを北へ行くと、ロシア(ソ連)とも国境を接している。満州の北側は北海道よりも緯度が高く、冬は非常に寒い。鉄道が通るまでは、ほとんど未開の土地であった。
それが、20世紀に入ってからの鉄道の拡大で、一気に開発されていく。そして日本は、そこにおける鉄道の利権をロシアと争い、日露戦争が起きるのだ。これに勝利した結果、満州の鉄道利権は日本のものとなった。
満州の南側半分を南北に貫く鉄道が「南満州鉄道(満鉄)」である。満州の主要な都市は、主要港である大連、奉天、満州の首都となる新京(長春)、ハルビンと、皆この満鉄沿いに連なっている。だから、満鉄は文字通り満州の背骨であり、逆にいえば満鉄が、満州という国家の根拠ともなっていた。
1932年3月1日、柳条湖事件から約半年後に、満州国は成立した。コンセプトとして、石原莞爾の草案した「五族協和」が
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