偽物の個人時代:その19(1,817字)
ここまで「偽物の個人時代」について考えてきた。そこで分かったのは、それが「偽物」である最大の要因こそ、若者における「恋愛の不足」であるということだ。
これはほとんどの人が理解できていないのだが、今、多くの若者が、恋愛不足と「それを自覚できないこと」に悩んでいる。というのも、今の若者はある種のマインドコントロールのように「個人主義」にとらわれており、深層意識では「したい」と思っている恋愛を、表層意識では「したくない」と思うようになっているのだ。
そのため、多くの若者が疑似恋愛に逃げ込んでいるのだが、そこは決して安住の地ではない。むしろ煉獄のような場所で、恋愛したい気持ちをかえって刺激され、精神のバランスを崩壊させられてしまう。ホストにハマって人生を狂わせる若い女性の急増が、そのことを端的に物語っている。
ところで、恋愛食物連鎖において、ホストは最強の捕食者である。ホストこそが百獣の王ライオン
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