庭について:その54(1,973字)
まず「禅」とは何か?
概観してみたい。
禅宗は仏教の一宗派で、中国で発祥した。インドから中国に渡った「達磨」が開祖とされるが、これは伝説的なもので確証はない。
日本には奈良から平安時代に伝わったが、本格的に広まったのは鎌倉時代である。日本においては座禅を組む宗派が「禅宗」と目されることが多いが、座禅自体は仏教で古くから行われていた徳目の一つであった。
禅とは「禅那」の略である。禅那とは、心が揺れなくなった状態を指す。
そして座禅は、座ることによって心が揺れなくなることを目指す。禅においては、「心が揺れない」というのが一つの究極の目的であった。
では「心が揺れない」とはどういうことか?
その前提には、まず「心が揺れる」ということがある。そうして、それについての苦い経験がある。
「心が揺れたことによって失敗した、だから心を揺れなくしたい」
それが、禅をすることの意味だ。
ところで、みなさんは心
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