日本庭園の特徴の一つは、それが「ミニチュア」であるということだ。何のミニチュアかというと、自然である。日本庭園は、石や植栽そして池などの各要素を、山や木そして海などの自然に見立てる。そうして「見立て」という言葉が生まれるほど、その概念が重視されているのだ。
その見立ての中でも、特に重要なのは「水」だ。日本庭園では、池は「海」に見立てられ、流れは「川」に見立てられる。面白いことに、実際には水を使わない「枯山水」の庭でも、砂を海や川に見立て、ミニチュアという特徴は失われていない。
ところで、江戸以前の日本には「雑草」という言葉がなかった。雑草は、江戸時代中期から用いられた比較的新しい概念である。
そう聞くと、それは古代の日本人が「八百万の神」的な宗教観を持ち、あらゆる自然を平等に尊んだからだ――ととらえがちだ。しかし、それは大きな誤りである。日本人は、古来より雑草とそれ以外とを区別する価値観を
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