アーティストとして生きるには:その20(1,668字)
話はそれるが、ぼくは自分がアーティストだと思ったことがない。意識してアートを作ったことがない。ぼくは、自分はエンターテインメントコンテンツの制作者だと思っていた。俗に言う「クリエイター」だと思っていた。
しかしながら、クリエイションを続けるうちに、次第にクリエイションの中にアート要素を見出すようになった。クリエイションを突き詰めるとアートになったのだ。
例えば、比べるわけではないが宮崎駿監督も、はじめはエンタメの面白さを追求していたはずだ。それなのに、エンタメを突き詰めれば突き詰めるほど、アートになっていった。エンタメのその先に、アートが待ち受けていたのだ。
これは、あらゆる分野で起きる現象だ。あらゆる分野のその先に、「アート」というのは必ず顔を出す。
例えば茶道具だって、はじめはお茶を飲むための道具として作られた。だから、追求したのは「どうすればお茶を美味しく飲めるか」ということだ。とこ
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