庭について:その40(1,972字)
ヒドコート・マナー・ガーデンの生け垣の最大の特徴は、やはりそれが「幾何学的」ということだろう。
プロの造園家ではなかった所有者で元の設計者でもあるローレンス・ジョンストンは、良くも悪くもイギリス庭園の「伝統」を無視することができた。そのため、これまで歴代の造園家が何度となく否定し、頑なに取り除いてきた「幾何学的」紋様も、躊躇なく取り入れることができたのだ。
だからヒドコート・マナー・ガーデンでは、ジョンストンがイタリア旅行の際に見て気に入った「直線的な生け垣」がふんだんに取り入れられている。しかも、それに当時のイギリスで最先端だったナチュラル・ガーデンの植栽を掛け合わせているから、いうならば水と油が混合した「キメラ庭園」となっているのだ。
さらに、そこにナショナル・トラストが管理用、あるいは一般公開用のデザインを加えているので、「キメラ度」はさらに増している。そうなると、普通は奇矯で歪なデ
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