ヒドコート・マナー・ガーデンの生け垣の最大の特徴は、やはりそれが「幾何学的」ということだろう。
プロの造園家ではなかった所有者で元の設計者でもあるローレンス・ジョンストンは、良くも悪くもイギリス庭園の「伝統」を無視することができた。そのため、これまで歴代の造園家が何度となく否定し、頑なに取り除いてきた「幾何学的」紋様も、躊躇なく取り入れることができたのだ。
だからヒドコート・マナー・ガーデンでは、ジョンストンがイタリア旅行の際に見て気に入った「直線的な生け垣」がふんだんに取り入れられている。しかも、それに当時のイギリスで最先端だったナチュラル・ガーデンの植栽を掛け合わせているから、いうならば水と油が混合した「キメラ庭園」となっているのだ。
さらに、そこにナショナル・トラストが管理用、あるいは一般公開用のデザインを加えているので、「キメラ度」はさらに増している。そうなると、普通は奇矯で歪なデ
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。