庭について:その36(1,878字)
ガートルード・ジーキルの庭造りはどのようなものだったのか?
ここでジーキルの生い立ちを簡単に見てみたい。19世紀半ばの1843年、ロンドンに生まれる。ちょうどロンドンの公害が深刻さを増す一方、植物園が人気を博す頃だった。
5歳のとき、ロンドン南西に位置するサリー州に移動する。当時のサリー州は、ロンドンの隣とはいっても文化的にだいぶ隔たっていて、まだ18世紀の古き良き景観を残していた。ここでジーキルは自然の魅力に目覚める。特に植物を見たり育てたりするのが好きになった。
またジーキルは、単に趣味として植物を好んでいただけではなく、学術的な研究や分析も行った。生態系全体を観察して相互の関係を読み取ったり、植物の種類や成長度合いを見て取り生育のメカニズムを学んだりした。
1861年、17歳の頃になると絵の学校に通いはじめ、いつしかアーティストを志すようになる。2年後の19歳のときには、卒業をきっか
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