前回は『ギンギラギンにさりげなく』について書くとお伝えしたが、ここ一週間この曲を『ハイティーン・ブギ』と聞き比べてみて、あらためて後者の破壊力が凄まじいと思わされた。なので、今回はまずそのことからお伝えしたい。

『ハイティーン・ブギ』は、貧困なイメージのチャンピオンだ。貧困なイメージ界の金字塔――とも呼ぶべき存在である。

特に歌詞がいい。作詞者は松本隆である。松本隆は言わずと知れた日本作詞界の巨匠かつ生きる伝説である。書いた名曲は数知れず、そこには『木綿のハンカチーフ』など紛う方なき芸術作品も含まれている。

その一方で、『ハイティーン・ブギ』のように極限まで通俗に振り切った下品な歌詞も書いている。これはすごいことだと思った。しかしよくよく考えてみると、同じ作詞界の巨匠である阿久悠や秋元康も、やはり高尚と低俗との反復運動が凄まじい。こうしてみると、日本の歌謡曲――取り分けその作詞は、貧困なイ