マンガのはじまり:その21(1,741字)
岡本一平は1929年5月(昭和4年)、『一平全集』を刊行する。これが予約だけで5万部も売れるほどの大ヒット。おかげで一挙にお金持ちになり、生活は一変する。一平43歳のときであった。
このすぐ後の同年12月にフランスに移住し、そこから約3年近く、ヨーロッパを周遊するのだ。しかもこのとき、一平は家族も連れていく。妻のかの子と息子の太郎に加え、かの子の愛人(しかも2人!)も連れていったので、計5人での移住となった。
このとき、一平は朝日新聞の記者でもあったから、フランスへは「特派員」という名目で行った。実際、1930年にロンドンで行われた海軍軍縮会議を取材するという目的もあった。
1929年は、ちょうど世界恐慌が起き、世界各国の経済が大混乱に陥っていた。そのため、どの国も戦争をするだけの余裕がなくなり、窮余の策として軍縮の調停を結ぶこととなったのだ。
恐慌は、もちろん日本にも襲いかかった。しかも
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