ウィリアム・ケントは、どのような庭を造ったのか?
例えばチジック・ハウスという庭(建築)がある。
これを見て分かるのは、まずローマ風の建築ありき――ということだ。ただし、それをローマ風の庭園ではなく、あえてイギリス風の庭園の中に配置している。これは、もろにクロード・ロランの影響といえよう。
ケントは、美しい人工物が自然の中で朽ちていく姿に、なんともいえない「エモさ」を感じた。そうしてそれを、貴族が提供する唸るほどの資金を背景に、周囲の自然ごと芸術作品として再生してみせたのだ。
結果としてそれは、幾何学的なデザインと非幾何学的なデザインとの融合となった。直線的なローマ建築をあえて非直線的な森の中に配することで、思わぬ異化効果が生まれたのだ。
当時のイギリスでは、ローマが強烈に「流行って」いた。イギ
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。