「金」という言葉(語)は、ぼくにとって昔から不思議な存在だった。なぜなら、意味するところが多いからだ。それは大きく3つある。

1:ゴールド
2:金属全般
3:マネー

このうち、1はそのままの意味だが、2が面白い。つまり全ての金属の代表が「金」ということである。だから、鉄や銀や錫やアルミニウムやステンレスまで、全て「金」の「属(仲間)」となるのだ。

金属の代表というと、ぼくなどはまず「鉄」を想像するのだが、そうではない。鉄もやっぱり「金属」で、つまり「金」の仲間、あるいは手下扱いだ。

そして3のマネーは、まさにこの連載のテーマである。英語だと「ゴールド」と「マネー」は違う語であるが、日本では同じ語を用いる。
それは古来より、日本ではゴールドがまさにマネーの役割を果たしてきたからだろう。特に小判は、ゴールドでもありマネーでもあった。だからマネーを意味する言葉がそのまま「金」になったのだ。

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