令和日本経済の行方:その20(2,005字)
大正年間は日本の教育が奇跡的に上手くいった時期である。西暦でいうと1912年から1926年だ。
ただ、昭和に入ってからも、それはうまくいっていた。戦前の「教育」は、概ね上手くいっていたのだ。
それとは逆に、戦前の「社会」は、1919年(大正8年)を境におかしくなる。恐慌が連続して起きるのだ。
まず、「戦後恐慌」が起こる。第一次世界大戦後、生糸と絹糸の価格が暴落し、貧困に喘ぐ人々が大量に生まれる。
次いで関東大震災が大正12年(1923年)に起こる。これも、深刻な不況と貧困とを招いた。
続いて、金融恐慌が起こる。いわゆる「取り付け騒ぎ」だ。大蔵大臣の失言をきっかけに、人々がお金を下ろそうと銀行に押し寄せる。これは不況というよりも、人々の金融に対する不信感を募らせ、経済を停滞させる。
そこに、1929年の世界恐慌が追い打ちをかける。そんなふうに、10年間でなんと4つもの恐慌が連続して起こった。
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