柳沢きみおの『月とスッポン』は、1976年から1982年まで週刊少年チャンピオンで連載されていた。単行本は全23巻になる。リアルタイムだと、ぼくにとっては8歳から14歳までの間だ。ちょうど少年から思春期にかけての一番多感な時期だった。
ただし、さすがに小学生で読むのは早すぎたので、前半はリアルタイムでは読んでいなかった。ぼくは、小4(1974年)からチャンピオンをよく読むようになっていたが、当時、『月とスッポン』はそれほど印象に残らなかった。
ぼくが『月とスッポン』を集中的に読むようになったのは、高校生になってからだ。つまり1984年以降なので、連載が終わってからということになる。
連載が終わってから、単行本で読んでいた。単行本を全巻揃え、それを数え切れないほどくり返し読んだ。
くり返し読んでもちっとも飽きることはなかった。それどころか、読むたびに新しい発見があった。特に後半の展開は、新し
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