ぼくは最近、1970年代後半についてよく考えている。なぜなら、この時代の捉え方が、とても難しいからだ。
1970年代後半の日本は、オイルショックの暗さから、バブルの華やかさに急転換した。そういう鮮やかな変容は、他の時代にはあまり見ない。
ただ、それなりに近い1950年代前半に、同じような急転換がある。それは、戦後の貧しさから、朝鮮戦争による特需へと鮮やかに転換したときだ。
このとき、手塚治虫の『新寶島』が生まれ、マンガ界そのものも急転換を遂げている。
では、1970年代後半のマンガ界では何が起こったのか?
その前に、1970年代「前半」のマンガ界では何が起こったのか?
それは、一言でいえば、「燃え尽き症候群」である。特に、『あしたのジョー』が終わり、また赤塚不二夫も失速したため、マンガが以前ほどの国民的ブームを巻き起こせなくなっていた。
この頃、学園紛争や浅間山荘事件、オイルショックなどの
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