ハックルベリーに会いに行く

マンガの80年代から90年代までを概観する:その51(2,184字)

2022/04/21 06:00 投稿

  • タグ:
  • マンガの80年代から90年代までを概観する
今回は1950年代について見ていく。というのも、赤塚不二夫というマンガを生み出した背景が、あるいはその揺りかごのようなものが、この時代にあると考えるからだ。

ところで、赤塚不二夫以前にギャグマンガというのは存在しなかった。もちろん、笑いやユーモアはあったが、赤塚のようなスタイル、あるいは思想的背景――哲学を持ったマンガはなかった。

その哲学とは、「ニヒリズムのオルタナティブ」だ。ニヒリズムからの脱却と、新しい価値観の提示である。
そして、その新しい価値観こそ「これでいいのだ」だ。だから、それはニヒリズムの否定ではあるが、広い意味ではニヒリズムをも肯定している。ニヒリズムの価値観さえも、「これでいいのだ」と許しているのだ。

言い換えるなら、それは「許し」の哲学なのである。
そして、その許しの価値観を育んだものこそ、50年代といえよう。では、なぜ赤塚不二夫は50年代に許しの価値観を育んだのか?

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

チャンネルに入会して購読する

  • この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

ハックルベリーに会いに行く

ハックルベリーに会いに行く

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細