最近の炎上している人を見るにつけ感じるのは、彼らに足りていないのは「両義的な視点」ということだ。「盗人にも三分の理」というが、どんなものにも良い面と悪い面とがある。どんなこともだいたい仕方なく起こっている。そういう視点がないから道を踏み外すのだ。

典型的なのがフェミニズムだ。「女性差別は絶対にいけない」という原理主義に陥る中で、必然的に「男性差別は仕方ない」という結論に至っている。これでは、男性はもちろん女性からの支持も得られない。しかも、その支持を得られないことが「自分たちの正しさを証明している」と解釈してしまって、ますます先鋭化している。

そもそも、フェミニズムを含めたあらゆる思想運動は成功しない。それは歴史が証明している。しかも、成功しないだけならまだいいが、先鋭化して攻撃的になり、だいたい犯罪――反社会行為につながる。オウムがその典型だ。そんなふうに、思想は本当に怖いのである。