その昔、ドキュメンタリーで宮崎駿が「最近の若いアニメーターは雲のアニメを見て雲を描くからダメなんだ。おれが若い頃は本物の雲を見てアニメの雲を描いていた」と言っていた。
これは、誰が聞いても否定しようがない考えに聞こえるが、否定した人がいた。庵野秀明だ。
そもそも、宮崎の言う「最近の若いアニメーター」とは庵野のことを指していた。庵野はこの頃、開き直って本物の雲を見ずに雲を描くというやり方――つまりアニメのパロディを突き詰め、一つの表現技法にしようとしていたのだ。
ただ、元々庵野は原爆実験の映像を集めて「爆発」を模写していたくらいだから、必ずしもアニメだけを見て雲を描いていたわけではない。しかし、逆に歳を重ねるほど、映像を元に二次創作するというスタイルを押し進めていった。そうして、とうとうパロディを芸術の域にまで高めたのである。
翻って、マンガである。マンガにも、「パロディを突き詰めて表現にす
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